2011 Fiscal Year Research-status Report
極乾式メタン発酵法の創成~嫌気性真菌と嫌気性細菌の人工共生~
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23656328
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宮原 高志 静岡大学, 工学部, 教授 (70239432)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 有機性廃棄物 / メタン発酵 / 嫌気性消化 |
Research Abstract |
極乾式メタン発酵法は、小規模分散型バイオエネルギーネットワークシステムを創成するためのキーテクノロジーであり、従来のメタン発酵法において必須の付帯施設とされてきた汚泥脱離液処理のための水処理施設が不要となるため小規模施設に適しており、従来対象とされてこなかった潜在的なバイオエネルギー源の活用を可能とする方法である。一般にメタン発酵法は、嫌気性細菌によって有機物を加水分解、酸生成、メタン生成の多段階プロセスに従いメタンへ転換すると同時に廃棄物の減量化・安定化を行う方法であり、実用・研究の歴史は100年以上に亘り、近年では熱、オゾン、超音波等の物理化学的な前処理装置を組み込んだシステムが開発されている。しかし、前処理に多くのエネルギー等を投入する方法は同法の利点を損なうことになり好ましいとはいえない。本研究は有機性廃棄物の乾式メタン発酵において、高速・低含水率化の大きな障害である加水分解段階とそれにつづく酸生成段階を対象として、従来の細菌群のみにたよる方法から菌類をその担い手として活用する方法とすることで、水分の少ない環境で腐食連鎖を構築する方法を確立し、脱離液の極めて少ない極乾式メタン発酵法を実現することをめざしている。嫌気性消化の種汚泥として下水処理場の嫌気性消化槽から採取した汚泥を用いて実験を行った。培養温度は中温嫌気性消化槽の至適温度に近い30度および加温エネルギーを減らすことを考慮して20度を対象として行った。含水率は一般的な高濃度メタン発酵槽に近い95%を基準として脱水汚泥に近い80%までの範囲で検討した。嫌気性条件下での菌類の増殖は遅いこと、温度および含水率が嫌気性細菌群へおよぼす影響は大きく低温および低含水率では増殖が低下することが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有機性廃棄物のメタン発酵における加水分解段階および酸生成段階での嫌気性細菌群の増殖特性はおおむね当初の想定範囲内であったが菌類の増殖特性が想定よりおそくその対応に時間を要したたため計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた成果を基にして、嫌気性条件下における菌類と細菌群の混合培養系を確立し、同混合培養系の処理性能を嫌気性細菌群のみの培養系と比較することで、極乾式メタン発酵法の評価・確立を行う。 有機性廃棄物としてはその処理が問題とされている食品類を用い、試験管に挿入可能なサイズに試料をカット(小片化するだけでは十分に再現性のあるデータが得られない場合にはフードミキサーによる粉末化も検討する)して使用する。気相部は無酸素状態で培養する。培地はルーメン液を使用しない半合成培地を使用することも検討する。培養温度は平成23年度の結果を踏まえてエネルギーバランスを考慮して実施する。目視による投入した有機性廃棄物の性状変化、廃棄物量、メタン生成速度および菌類の定量結果をコントロールと比較することで、有機性廃棄物を対象とした混合培養系での増殖特性を明らかにする。本研究からメタン発酵汚泥における菌類の導入効果を総合的に評価する。含水率の影響について明らかにすることで極乾式メタン発酵法の評価を行い成果発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メタン発酵汚泥の混合培養とその計測、分析に必要なガス、試薬、培養器具、ソフト、書籍および成果発表および情報収集のための旅費に使用する。
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