2011 Fiscal Year Research-status Report
生分解性プラスチック含有有機性廃棄物のメタン発酵機構とその効率化に関する研究
Project/Area Number |
23656329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 文武 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津野 洋 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40026315)
日高 平 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (30346093)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 生分解性プラスチック / メタン発酵 / 有機性廃棄物 |
Research Abstract |
人工生ごみを中心とした基質で、超高温可溶化槽を組み込んだメタン発酵反応システムによる生分解性プラスチック処理実験を行い、添加プラスチックの可溶化特性や、その超高温可溶化液のメタン発酵特性について調査・考察した。特に今年度は、生分解性プラスチックの一種であるポリ乳酸(PLA)を対象とし、PLAの可溶化槽での可溶化率およびメタン発酵槽でのメタン転換率がより向上する条件などを把握することを目的とする回分実験を実施した。超高温可溶化槽と高温メタン発酵槽を組み合わせた二段式嫌気性消化プロセスを想定し、PLAを基質として、各槽での処理機能の特性を調査した。 その結果、PLAを可溶化するには55℃の高温処理のみでは困難で、80℃の超高温可溶化槽が不可欠であることが明らかになった。80℃の超高温可溶化槽を用いても汚泥やその上澄み液を用いなければ可溶化効果は小さく、汚泥を用いた場合の可溶化効果は、汚泥やその上澄み液を用いなかった場合と比べ約3倍であることが明らかとなった。そして超高温可溶化槽にアンモニアを添加することによってPLA可溶化率が大きく向上し、アンモニア添加量が4gN/Lの範囲まででは、添加量が多いほどその効果も大きく、アンモニアを4gN/L添加した場合、添加しなかった場合と比べ約3倍の可溶化効果が得られることがわかった。PLAのみを基質として嫌気性消化を行った場合、消化日数60日におけるメタン転換率はわずか11.7%であった。これは、高温条件下ではPLAの分解率が低いためであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、ポリ乳酸のメタン発酵プロセスの各段階とその影響因子を検討する基礎的検討事項について調査することを目的としており、数種の回分実験を用いて実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり、生ごみ等の他の有機性廃棄物の共存下におけるポリ乳酸のメタン発酵特性ならびに影響因子の把握と応用化を目指した検討事項について調査・検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的な実験装置は保有しており、実験用の消耗品や成果発表、資料収集のための国内旅費、研究補助のための謝金に使用する計画である。
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Research Products
(4 results)