2012 Fiscal Year Research-status Report
貧栄養細菌による環境中の極微量汚染物質分解技術の開発
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23656333
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 寛治 東北学院大学, 工学部, 教授 (90382655)
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Keywords | 貧栄養細菌 / 富栄養細菌 / トリクロロエチレン |
Research Abstract |
貧栄養細菌の挙動解析と環境浄化への適用を行なうために、複数の貧栄養および富栄養条件下から、4種類(貧栄養2種類、富栄養2種類)のトリクロロエチレン分解細菌を取得し、トリクロロエチレン分解能有するフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子(約5kb)の取得を試みた。4種類の分解細菌のうち、2種類については既報のフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子と相同性があり、PCRにて容易に遺伝子を取得できた。しかしながら、他の2種類については、PCRでの遺伝子取得が困難で、インバースPCRによる上流、下流領域の解析が必要となった。結果的には、本解析によって新たな適合PCRプライマーを設計でき、4種類全てのフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子の取得・解析に成功した。 さらに、その内の1種類については、染色体上のフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子上流にtacプロモーターを導入し、発現に成功、トリクロロエチレンの分解能も確認できた。今後は残る3種類の細菌についても分解能の発現を行わせ、貧栄養細菌と富栄養細菌の間で、分解能に差があるか否かを調査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
貧栄養細菌の環境浄化能を詳細に解析するため、最初の段階でトリクロロエチレン分解能を有する細菌およびその遺伝子の取得を計画した。予定通り、遺伝子の取得が進み、トリクロロエチレンの分解確認まで進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に提案したとおり、今後は、貧栄養細菌と富栄養細菌の分解能の比較解析を行なう。本解析によって、貧栄養細菌の有する極めて高い分解能力が、その保有遺伝子によるものか、宿主としての細胞に備わった能力なのか、その答えの糸口を見出すことが出来ると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には申請時の計画に基づいて、分解試験や分子生物学的な解析の物品費に利用する。また、調査・成果発表の旅費や、論文投稿料としてもとしても利用する。
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Research Products
(1 results)