2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルティメート・シェルターの形態と力学性能に関する基礎的調査研究
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23656336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 健一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40234041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻 芳郎 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00512005)
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Keywords | アルティメート・シェルター / 大量絶滅 / 宇宙構造 / 人体耐性指標 / 柔軟再突入 / インフレータブル構造 / トランスハブ / 隕石衝突 |
Research Abstract |
巨大隕石の衝突など「大量絶滅」が発生するような極限的な状況において人類が生存し種を保存しうるシェルター(以下、アルティメート・シェルター)について、主に形態と力学性能について調査することを目的とし、研究を行った。 23年度、24年度は宇宙建築などの文献を調査し、宇宙空間において人類が生存するための条件などの知見を得た。同時に、典型的なアルティメート・シェルターとしての最初の目標を、津波等の災害から避難時間の少ない個人が生存の途を見出すために利用するパーソナルシェルターの必要性に着眼するに至った。そこでパーソナルタイプのアルティメートシェルターに焦点を絞り、調査研究を行った。 パーソナルシェルターは常時の保管場所を考えると、展開型であることが望ましい。そのような骨組み構造の調査を実施し、いわゆる ガンテスタイプ(1991年のH.GantesのMITの博士論文に提案されているシステム)のドーム型展開構造に着目した。この構造は従来半球形状のみの研究がおこなわれていたものを、今回は球状の展開シェルターに発展させることの可能性について調査研究を行った。 ガンテスタイプの展開ドームはシザーズ部材を用いたジオデシックドームの形態をしており、形態上は球状に発展させることは容易である。さらにスナップスルーを経るため、最終的な形状は安定している。最終年度となる25年度はプロトタイプとなるモデルの作成、および、家屋倒壊などの下敷きになった場合の強度を確認する数値計算、展開過程における部材応力を確認する数値解析などを実施した。これらの研究の結果、従来型モデルには必要とされていなかった伸縮性のある部材を用いる必要があることなどがわかった。骨組みに関してはかなり独創的な研究を進めることができたが、シェルターの外部隔壁となる膜材などの研究までは詳細に詰めることはできなかった。
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Research Products
(2 results)