2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656337
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 哲 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (60230455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 侑子 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90586554)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 実験方法 / 振動台実験 / 倒壊 |
Research Abstract |
小型模型実験において相似則を克服するためには、試験体に対して鉛直方向に大きな力を加えなければならない。そのために試験体の重量をただ増やすのでは、水平方向の抵抗能力と鉛直方向の抵抗能力のバランスの変化や固有周期の設定に対応することができず、鉛直荷重の影響を反映した現実的な実験を行うことはできない。そこで、鉛直方向の負荷のみ別の手段で加えることになるが、一般的な振動台を用いて行うには様々な問題があり、実施が困難である。 本研究では、上下方向を反転させた倒立振動台実験という新しい概念を導入することで相似則を克服する。まず、一般に用いられる実験室の床にしっかり固定された振動台ではなく、動的アクチュエーターを加振装置に使用する。小型模型試験体を用いた実験であることから、アクチュエーターの加振力やストロークへの要求はさほど高くないこと、振動台という特殊な用途に使用する実験装置ではなく汎用性のあるアクチュエーターを用いることで、一般的な実験室で実施可能な装置構成となっていることが特徴である。そして、載荷フレーム内の反力梁にスライダー治具を介して設置した振動台ユニットに、倒立させた小型模型試験体を設置した上で、天井側の十分高い位置に設置した支点を介して錘を釣るなどし、十分大きな鉛直方向力を試験体の変位によらず安定して加えることができることが第二の特徴であり、これにより相似則を克服した小型模型振動台実験が実現可能となる。 平成23年度は、まず、振動台実験を行う上で必要な模型骨組を構成する部材について試作と載荷実験を行い性能を検討した。また、応答解析によるシュミレーションを行い、慣性質量と負荷質量の組み合わせにより鉛直荷重の効果を効率よく変化させ様々な実験が実施できる装置として、設計・製作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災した鉄骨造文教施設の被災度判定及び復旧指導(文部科学省の依頼による)の責任者となり、研究分担者とともに年度の大部分を被災度判定及び復旧指導に注力しなければならなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
年度当初より実験を開始する。地震被害調査関係の纏めも終わったことから、本課題に注力し、年度末までには当初の目的を達成すべく努力する。年度内には研究成果を取り纏め、積極的に対外発表を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度の研究経費の残高は、学内の締め切り期日を守って経理処理を行っていたにも関わらず、一部の支払いが年度内になされていなかったという事務手続きの遅れによるものであり、実際に繰り越しているわけではない。次年度の研究経費については試験体(消耗品)の製作など、主として実験消耗品の購入に充てる。
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