2011 Fiscal Year Research-status Report
都市建築空間における認知ギャップとプレザントネスの関係に関する研究
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23656348
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久野 覚 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70153319)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 環境心理生理 / 視環境評価 / 季節差 |
Research Abstract |
23年度は、トヨタホームの住宅展示場にある2棟のモデルハウスを用いて被験者実験を行なった。実験内容は、入口等外部環境も含めた住宅における各場所について、同一場所でもその場所に至るアプローチによって場所の印象評価が変わるというもので、合わせて温熱環境および光環境の物理量測定および心理評価も行なった。実験は夏期・秋期・冬期と行い、自然環境の変化とそれに伴う室内環境の変化を調べ、前述したアプローチの違いによる場所の印象評価への影響を調べた。24年度に入るが春期実験を加えて通年の実験が終了する。 夏期・秋期・冬期の季節による場所の印象評価の違いが検出され、温熱環境・光環境と対応する状況を把握した。アプローチの違いによる印象評価の違いも検出され、初期の仮説通りとなった。この認知ギャップについては光環境の影響が強く、各場所の光環境の季節差と対応が強かった。温熱環境についても認知ギャップへの影響があると予想していたが、モデルハウスという実際の環境で温熱環境について色々なバリエーションを作ることが難しく、今後さらに工夫が必要であることがわかった。24年度の計画では、屋外環境についての認知ギャップを検討することにしており、そのための基礎データともなる知見が得られた。 ビデオによる動画および周辺音を加えた実験室実験も24年度に計画しており、そのための実験室準備を行った。また、実際の都市屋外環境、上述のモデルハウスの実験においてビデオ撮影と周辺音録音の試行を行い準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究は、春期の実験を行なって1年間の実験が終了する。実験準備は整っており、順調である。通年の実験を行って初めて夏期・冬期の結果の解釈が十分可能になる。そのため、まだ断定的な結論はできていないが、これまでの結果では前述のようによい結果が出ている。24年度の実験の準備も順調であり、全体としておおむね順調に進展していると言っていいと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、主として屋外空間における実験を行う。秋期実験がメインとなるが、夏期・冬期の実験も行う。現場実験を主としたいが、最近は防犯・治安の関係で屋外実験がしにくくなっている。そのため、動画・静止画による実験室実験も行う。また魚眼レンズによる3次元球面スクリーンによる実験室実験を行う。周辺音を負荷した場合の実験も行う予定である。 23年度の続きとしてモデルハウスにおける春期実験も行い解析を進め、住宅内の認知ギャップについては一応の結論をまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な機材は揃っているので、解析ソフト、測定のための消耗品、被験者実験の謝金、実験および資料収集のための旅費が必要である。
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