2012 Fiscal Year Research-status Report
材料内の熱水分応力伝達を考慮した火災時の高強度コンクリートの爆裂発生機構の解明
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23656350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 和典 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90198911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 峰広 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50183900)
山崎 雅弘 岡山理科大学, 工学部, 教授 (60240826)
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Keywords | 高強度コンクリート / 火災 / 爆裂 / 破壊面形状 / 熱応力 / 部分加熱実験 / 国際情報交流 / 韓国 |
Research Abstract |
爆裂機構解明のため,円筒試験体を用いた外周圧縮実験と角柱試験体を用いた部分加熱試験を行った結果を分析し、加熱中に生じる熱応力と空隙内の水蒸気圧力の影響を考察した。 外周圧縮実験は,常温で行うものであるが,火災初期の熱応力を外部からの圧縮力に置き換えて,円筒試験体の外周部のみを軸方向圧縮して表層部を圧壊させるものである。直径100mm×高さ50mm(または高さ85mm)の円筒形試験体の外周部のみを圧縮して表層を圧壊させたときの破壊面の形状および破片の幅厚比などを測定した。 部分加熱実験は,ISO 834標準耐火試験の方法により,角柱試験体(100mm×100mm×高さ400mm)を2面または4面から30分間加熱して,爆裂の程度と破壊面の形状を調べるものである。この時、加熱炉内部の状況をビデオカメラで撮影し、爆裂が生じた瞬間の映像を得た。これより、爆裂は角部で三角柱状で発生し、それよりも前の時点では、非加熱側にひび割れが生じていた。このことから、熱応力が爆裂を支配する現象であると予想される。 また、爆裂抑制に及ぼす繊維の効果を調べるため、繊維混入有/無の試験体を200℃または400℃に加熱し冷却後の残存圧縮強度を測定した。その結果、繊維の有無が直接的に圧縮強度に及ぼす影響は小さいことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
爆裂メカニズムについては、外周圧縮実験および部分加熱実験により、およその目処が見えて来た。物性値測定には当初予定よりも長時間を要しているが、全般的には順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に行ってきた物性値測定については、対象とする材料が緻密なため平衡状態への到達に予想以上の期間を要して要る。そのため、当初の予定を延長して引き続き測定を行う。また、これに伴って、透気率などの測定が完了していないので、平成25年度に測定を引き続き行う。 ここまでの実験結果の考察とともに、空隙圧力と熱応力の2つの観点から熱水分および応力解析に着手し、メカニズムの検証を行う。平成25年度は,2年間の実験結果の理論的分析と熱水分同時移動の数値解析を行い,高強度化に伴う温度および空隙圧力分布の差異を定量化し,応力解析と併用して爆裂メカニズムの解明に迫る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定通りの執行を行う。ただし、物性値測定には予想以上の長期間を要することが解ったので、実験装置の増強等を適宜行い、研究の迅速化を図る。また、旅費については、研究打ち合わせおよび研究成果の発表のために有効利用する。
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Research Products
(12 results)