2013 Fiscal Year Annual Research Report
材料内の熱水分応力伝達を考慮した火災時の高強度コンクリートの爆裂発生機構の解明
Project/Area Number |
23656350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 和典 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90198911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 峰広 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50183900)
山崎 雅弘 岡山理科大学, 工学部, 教授 (60240826)
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Keywords | 高強度コンクリート / 火災 / 爆裂 / 破壊面形状 / 熱応力 / 部分加熱 / 空隙径分布 |
Research Abstract |
火災時の高強度コンクリートの爆裂は,発生機構が未解明の厄介な現象である。特に,火災初期に爆裂が発生すると鉄筋が露出する。この状態で長時間の加熱を受けるとコンクリート構造物は崩壊する危険がある。現状では繊維補強等の対策を経験的に行っているが,爆裂発生機構の考察に基づくものではなく普遍性に乏しい。 本研究では,空隙圧力と熱応力が複合して発生する応力が爆裂発生のメカニズムであるとの仮説を立てて,これを検証するために実験と解析を行った。圧縮強度100MPaの100mm×100mm×400mmの角柱試験体の2面のみを標準加熱曲線で加熱したところ、繊維混入がなく含水状態のものだけが出隅部を中心に爆裂した。繊維混入したものと絶乾状態のものは爆裂が無く、目立った損傷は生じなかった。爆裂が生じた試験体から、破片及び残存破壊面の形状を測定した。別途行った熱伝達解析と応力解析の結果では、熱応力により生じたせん断応力度比が0.4の位置と爆裂面が一致し、熱ひずみが角部に集中して生じるせん断応力が関与している可能性が示唆された。 加熱による材料素材の特性変化を把握するため、200℃(繊維溶融点以上)および400℃(繊維焼失点付近)に加熱した後に徐冷したシリンダー試験体の圧縮試験を行い、応力-ひずみ曲線ならびにポアソン比の温度依存性を調べた。また、圧縮試験後の破片を採取して空隙径分布を測定し、加熱に伴う変化を調べた。応力―ひずみ曲線およびポアソン比には繊維の効果は認められなかった。一方、空隙径分布では0.1ミクロンオーダーの空隙が加熱により増加し、透気係数が常温に比べて400℃では1桁弱増加することが示された。これらの測定結果を熱水分同時移動解析および応力伝達解析に利用することとしており、そのための予備的解析を進めている。
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Research Products
(13 results)