2012 Fiscal Year Annual Research Report
天空画像を用いた夜間照明浪費エネルギー量マップおよび光害頻度予測方法の開発
Project/Area Number |
23656351
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岩田 利枝 東海大学, 工学部, 教授 (80270627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 大輔 ものつくり大学, 技能工芸学部, 講師 (10567978)
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Keywords | 天空画像 / 光害 / 上方光束 / 雲 / 屋外照明 / 雲底高 / 反射率 |
Research Abstract |
夜間の屋外照明や建物、広告などから上方に漏れる光(上方光束)は雲があるい場合は明るい夜空を作り出し、天体観測や動植物、人間の生体リズムへ影響を与え、雲が無い場合には照明用電力を宇宙に捨てることになる。本研究では天空輝度画像、雲底高、雲の反射率から上方光束を推定する方法を開発し、各地域からの上方光束分布マップおよび照明用浪費エネルギーマップを作成することを目標にした。 24年度は、①各放光点(上方光束を放つ都市域を指す)の上方光束の推定プログラムの作成、②都内における天空輝度画像、雲底高の実測による上方光束分布マップおよび照明用浪費エネルギーマップ作成を行った。 ①については、天空画像上の被照点(天空の雲表面)の輝度から放光点の上方光束を求めるプログラムを作成し、1/20000模型を用いて計算結果の精度検証実験を行った。この結果、高輝度の被照点が計算誤差の原因となることを明らかにし、被照点の選択方法を示した。点光源を仮定した基本プログラムから面光源を仮定した上方光束推定プログラムを作成した。 ②については東京23区の都市域を網目状に区切り、各グリッド(2.5×2.5[km2])を放光面とした。一例として若葉東公園で測定を行い、上方光束を計算し、GISデータを用いて照明電力消費量に換算して、照明用浪費エネルギーマップを示した。 前年度は震災による節電影響もあり、駅を中心に都市照明の節電実態調査や、東京都市部を網羅できる測定点の決定、雲の可視光反射率の推定方法決定など基礎的事項を行うにとどまったが、24年度成果により期間全体として、都内の上方光束分布マップおよび照明用浪費エネルギーマップの作成という目標を達成することができた。今後も引き続き測定を行い、節電状況からの変化を追っていく予定である。
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Research Products
(5 results)