2012 Fiscal Year Annual Research Report
中心市街地において木造建築を活用したグリーンコンパクトシティ整備手法の構築
Project/Area Number |
23656354
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬戸口 剛 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20226674)
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Keywords | 木造都市 / コンパクトシティ / 中心市街地 / グリーンコンパクトシティ / 新エネルギー / まちなか居住 / 都市空間モデル / 延焼シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、低層及び木造を積極的に活用し新エネルギーを利用した都市を提案し、中心市街地において木造建築を活用したグリーンコンパクトシティ整備手法を構築することが目的である。 以下に空間モデルの評価と可能性を示す。<空間>低・未利用地への充填により、市街地空間の密度が向上し、連続的な街並と、ヒューマンスケールを意識した市街地空間が実現される。<機能>商業・サービスの床面積が低層木造OS 型で30%、中心中層混合型で43%(以下同順)増加し、街区内の機能が充実する。<経済>平均賃料単価が38%、62%、除却費用が18%、28%と安価なため、新規居住や市街地更新が促進されやすい。保留床が24%、32%に縮小されるため、新規事業参入や、市街地開発が促進されやすい。権利床が46%、75%増加する。木造建築に関わる地元事業者が参入でき、地域内の雇用が増加する。<環境>炭素放出量が93%、79%減少し、炭素固定量が9%、8%増加するため、低炭素型都市実現に貢献できる。<計画>減価償却期間、更新期間が約半分となり、更新時の需要に合わせた床面積や、機能の供給ができる。緊急時において、モデル街区外から火災が起きても延焼する可能性は皆無であり、モデル街区内で出火が起きた場合も、延焼リスクは32%、26%と被害を小さく留められる。火災時の最大住戸被害数は、低層木造OS型は7%小さく、中心中層混合型では逆に40%増える。 グリーンコンパクトシティの課題。<機能>現状より住戸数が増えるが、中層RC型に比べて、供給可能な住戸数が29%、60%と、各モデルで住戸数の開きがある。<経済>事業のイニシャルコストは安価となるが、減価償却期間での収益を検討すべき。<計画>釧路市へのヒアリングより、低層木造OS型の方が現実的で、より魅力的な空間モデルの可能性が指摘された。低層木造と中層RC造が混合するモデルも求められる。
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Research Products
(3 results)