2011 Fiscal Year Research-status Report
雨水浸透性緑溝の浸透性能の経年測定のための独自装置の開発と計測
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23656359
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 裕之 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30187463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 顕人 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60396760)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 雨水浸透 / 緑溝 / 雨水流出測定装置 / 可搬型人工降雨装置 / 降雨イベント / 集中豪雨 / グリーンインフラストラクチャー / 流出 |
Research Abstract |
ドイツ、アメリカなどでは、都市のグリーンインフラストラクチャー構築の一環として、礫を埋設し、その上に芝を植えた雨水浸透性緑溝が道路や建物際に設置されているが、日本では導入が遅れている。本研究は、緑溝の効果とその経年変化を実験的に実証考察し、日本におけるその導入可能性と課題を探ることを目的とし、緑溝の雨水浸透能力とその経年変化を独自の実験装置により検証し、設計シミュレーションを行い、可能性を検討するものである。H23年度は707mm角の自然暴露型の雨水流出測定装置(浸透タイプ)を2セット、降雨量の測定装置(全量タイプ)を1セット、計3セット作成し、日進市内の敷地に設置し、1年間畑地での流出特性を把握した。なお、別途研究費によってあらかじめ作成した名古屋大学構内の芝地に設置した装置(3セット)と比較を試みた。2セットはほぼ同じ条件で隣接して設置しデータの比較を試みた。1年間観察の予定であったが、計器の調整が難しく、また、土壌の雨水浸透能力が大きく、大半の降雨イベントでは流出が見られず、大きな降雨イベントにおいても調整不足などで正確な流量が把握できない状況が続き、半年は、装置設定の改善に費やされた。ただし、不完全な調整の中でではあったが、H22年9月の大型台風については貴重なデータが採取できた。また、装置の特性把握のため、途中で人工降雨装置の作成を必要としたため、可搬型の人工降雨装置を作成し、降雨イベントがない状況でも強雨環境を作り出せるように工夫した。H23年1月から3月までの間に複数回、実験を繰り返した。その結果、雨水流出測定装置の特性が把握された。しかし、全量タイプの流出計測に課題があることも発見され、その解決のために、流量計を併設する必要性が出たため、次年度の予算で、その修正を行う予定である。このように初年度は装置の改善に力点を置いたため、正確な測定はH24年度に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
畑地の浸透能力が高く、通常の降雨では流出が発生せず、装置の特性把握と計測機器の微調整に手間どり、H24年に予定していた、人工降雨装置などの開発により、装置特性の把握などを行いながら、採集した基礎的なデータの検証を試みたために、データ解析は予定よりもすこし遅れている。また、その結果、論文としてまとまった成果を出せなかった。しかし、人工降雨装置を年度を速めて簡易型として作成したため、H24年度の計画は予定よりも進むものと想定している。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は、装置の調整方向にほぼめどがついたため、全量タイプの流量計の計測器並列化などを年度早期におこない、梅雨と台風のシーズンに備える。また、横長の装置の開発と土壌の浸透性改善による、浸透能力の変化などについて検討を行う予定である。計測が漸く軌道に乗り始めたため、実験結果の論文としてのとりまとめも積極的に実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置の改良として、全タイプの流量計の計測器並列化当の機器の改良と縦長タイプの雨水流出測定装置を作成し、設置、および、地盤改良剤による地盤改良費用に支出する。また、論文掲載料を支出する。
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