2011 Fiscal Year Research-status Report
インテリア空間のカラーユニバーサルデザインに関する実験的研究
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23656363
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
志田 弘二 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (70196385)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | ユニバーサルデザイン / インテリアデザイン / 色彩計画 / 色覚特性 / 印象評価 |
Research Abstract |
ケアハウス食堂(A,B,Cの3タイプを設定)のインテリアの色彩を対象に、カラーユニバーサルデザインに配慮し改良したCG画像を液晶モニターで観察し印象をSD法で回答する被験実験(一般・高齢者・色弱模擬・白内障模擬の4種の色覚特性を設定)の結果を分析した。 形容詞対全体では、CはA・Bに比べいずれの色覚特性でも印象が向上した。色弱模擬は全てのタイプで印象が向上したが、一般(若年)はA、高齢はBで低下し、白内障模擬は変化が僅かであった。白模は色の変化に印象が追随しない可能性が推測される。また、一般(若年)と高齢ではCを除いて逆の傾向が生じたことはカラーユニバーサルデザインの重要課題と考えられる。 Aでは、一般と色弱模擬、色弱模擬と白内障模擬、高齢と色弱模擬、で印象が接近したが、一般と高齢では大きく拡大した。Bでは、全て色覚特性で接近し、高齢と色弱模擬、一般と高齢で大きく接近した。Cでは、印象が同程度に向上・低下している色覚特性(色弱模擬、高齢)間の接近拡大は僅かであった。一般と色弱模擬の接近が大きいとその他の特性間の接近が小さいまたは拡大し、一般と色模の接近が小さいとその他の特性間の接近が大きい、相反する傾向が生じた。改良した画像では充分なカラーユニバーサルデザインとはならなかったが、全ての特性間で接近となるBのようにさまざまな色覚特性間(特に、高齢と色弱模・一般と高齢)の印象を近づけることができる可能性も得られた。 以上のように、色弱(今回は模擬)に配慮して配色を工夫すれば、色弱模擬での印象を向上できると共に、他の色覚特性との印象や他の色覚特性間の印象を接近できる可能性を検証した。一般と高齢では配色の変化に対する印象の向上・低下が大きいというごく自然な傾向を得たが、白内障(今回は模擬)は向上・低下が僅かであり、カラーユニバーサルデザインの重要な対象であることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
色弱の被験者の確保が不調であったため未実施でありまた立体視(液晶モニターあるいはプロジェクター映写での三次元表示)での実験が機器の調整不足のため未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
色弱の被験者の確保のために医療関係者との連携が必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
色弱の被験者の確保が不調であったため未実施また立体視(液晶モニターあるいはプロジェクター映写での三次元表示)での実験が機器の調整不足のため未実施であり、追加実験用の被験者および補助者の謝金と立体視対応の機器等の物品費また論文発表時の旅費に充てる予定である。
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