2012 Fiscal Year Annual Research Report
インテリア空間のカラーユニバーサルデザインに関する実験的研究
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23656363
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
志田 弘二 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (70196385)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / インテリアデザイン / 色彩計画 / 色覚特性 / 色彩心理 / 印象評価 |
Research Abstract |
CG画像を液晶モニターで観察しSD法で印象を回答する2種類の被験者実験を実施し、色覚特性(一般・高齢・色弱模擬・白内障模擬を設定)ごとの印象評価の結果から、カラーユニバーサルデザイン(CUD)に関する基礎的な知見を得た。 ケアハウスの食堂(3タイプを設定)を対象にした色弱に配慮した配色計画での印象評価実験では、色弱(模擬眼鏡装着)は全てのタイプで印象が向上したが、一般(若年者:大学生)と高齢は異なる1タイプで印象が低下し、白内障(模擬眼鏡装着)は色の変化に印象が追随しない結果となった。また、色弱の印象を向上させかつ色弱と他の色覚特性との印象を接近可能な配色を確認できたが、一般と色弱との印象の接近が大きいとその他の色覚特性間の接近が小さいまたは拡大する傾向など、対象とした全ての色覚特性の印象を接近あるいは相似させることが可能な色彩計画を得ることはできなかった。 住宅居間の壁1面を21色変化させた印象評価実験の結果を基に、先行して実験を実施し分析が完了した一般(若年者:大学生)での結果を述べる。どの色相についても、高明度・中彩度色が、原色または低明度・中彩度色に比べて、ほとんどの形容詞対で良好な評価となった。因子分析の結果を基に「評価因子」、「温冷感因子」、「空間因子」、「洗練度因子」の4つの因子を抽出した。因子得点で判断すると、無彩色「白:N9.0」は「洗練度因子」では上位「評価因子」「空間因子」では中位以上だが、「温冷感因子」では0に近く中立の温冷感をまず確認できた。「評価因子」では各色相の高明度・中彩度色が上位、「温冷感因子」では暖色系色相が上位で寒色系色相が下位、「空間因子」では「評価因子」同様に高明度・中彩度色が上位であった。今後は、高齢者、白内障(模擬)での実験結果を同様に分析し、色覚特性ごとの類似点・相違点を整理し、どの色覚特性でも評価が高い色彩計画を検討する。
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