2012 Fiscal Year Annual Research Report
転倒時の骨折を防ぐ高齢者施設の床の安全性確保に関する実証的研究
Project/Area Number |
23656364
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 研 大阪市立大学, その他の研究科, 准教授 (70311743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池渕 充彦 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70453131)
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Keywords | 転倒 / 転落 / 衝撃吸収性 / 骨折 / 特別養護老人ホーム / グループホーム / 介護事故 |
Research Abstract |
2年の研究期間において、特別養護老人ホームおよび認知症高齢者グループホームを対象として全国アンケートを実施した。 まず、初年度の全国の特別養護老人ホーム359施設に対して3年間のべ約6万6千人分のデータを分析した結果からは、1)施設の種別、介護職員数、平均要介護度のいずれも骨折率に有意差は認められなかった。2)施設の構造はRC造が約8割を占め、床は約9割が転倒時の衝撃吸収性に劣る「直貼り」という実態が把握された。3)居室の床材により骨折率を比較したが有意差は認められなかった。また、施設の構造別の骨折率を比較したが有意差は認められなかった。その一方、「直貼り」の床は、そうでない床に比べて約50%骨折が増加することが統計的に確認された。 次年度は、全国の認知症高齢者グループホーム9,703施設から無作為に4,000箇所にアンケートを送付し、アンケートを実施し、950施設から有効回答(利用者約35000人)を得て、4)利用者の平均年齢、平均要介護度、常勤換算による介護職員の比率と転倒・転落骨折の関連を分析しましたが、今回の調査では統計的に有意な差は見られなかった、5)定員100人あたりの年間の骨折を比較した結果、転倒と転落による骨折の両方を併せた発生率(転倒・転落骨折率)が「RC造」の5.69%に対して「S造」で4.08%、「木造」で3.98%となり、「鉄骨造」「木造」では「RC造」よりも約3割、骨折が少ないこと(有意差1%水準)、6)「直貼」では転倒骨折率が5.58%と高いのに対し、「根太・二重床」では3.12%と低く、「根太・二重床」の施設では「直貼」の施設よりも約44%骨折率が減ることが統計的に確認された。 以上の結果から、高齢期の転倒や転落による骨折には床が影響しており、二重床や根太組など、衝撃吸収性のよい床が有効であること明らかになった。
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Research Products
(4 results)