2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一広 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (40362412)
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Keywords | ナノ化 / メカニカルミリング / 中性子散乱 / 小角散乱 / 表面構造 / ナノ構造 / X線回折 / 原子配列 |
Research Abstract |
ナノポーラス水素貯蔵材料を創製することにより、表面積を多くし水素吸蔵・放出特性を高めることを目的とした研究である。これによって水素吸蔵による格子歪みをナノポーラス表面に分散させることにより細粒化を防ぐことも可能となる。さらにナノポーラス内に種々のアイディアで触媒剤を混入させ、さらなる水素吸蔵・放出特性を高めていくことができる。本研究において超臨界を用いて空孔率の極めて大きな多孔質体すなわちナノポーラスの形態を形成させることはナノ物質の「表面」がキーポイントとなる。表面の影響を明らかにするために、まずナノ粒子を化学的もしくは物理的に形成させる方法があるが、将来の材料の生産性を考慮して物理的にナノ粒子を形成させることを行った。物理的方法としてメカニカルミリング法を行い水素吸蔵材料のナノ化を行った。ナノ粒子の特性(水素吸蔵特性など)を調べるにあったって、水素の吸蔵・放出は必ず粒子の表面を経由して行われることからその粒子の表面近傍の構造が、水素吸蔵放出によってナノ粒子の表面構造がどの様に変わるかを調べることにした。その方法としてX線小角散乱ではなく、中性子小角散乱実験を行った。中性子小角散乱では軽水素(H)及び重水素(D)の中性子に対する散乱断面積が異なるという中性子の特徴を利用した研究が展開できる。それ故、本研究では、吸放出時の中性子小角散乱実験を行い表面構造を観察した。その結果、ナノ粒子に水素を吸蔵させると粒子表面の構造が平滑になることが明らかとなった。さらに軽水素と重水素で粒子表面の平滑さが異なることが明らかになった。軽水素よりも重水素を吸蔵させた方が平滑性の向上が見られた。この表面構造変化の違いは水素種の拡散速度の違いによることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)