2012 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜技術と蛋白質結晶化技術の融合による規則配列磁性ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
23656385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白土 優 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70379121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 亮一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60314374)
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Keywords | 磁性材料 / 蛋白質 / エピタキシャル / 結晶成長 / ナノ材料 |
Research Abstract |
デジタル情報を記憶する記憶デバイスは,磁気記録であるハードディスクドライブ(HDD)が主流である.HDDの記憶容量は,単位面積当たりの記録密度にして約400 Gbit/inch2に達しており,現行のシステムでは,今後の大幅な高密度化が望めないことは共通認識となっている.本研究では,Tbit/inch2級超高密度磁気記録に対応できる3次元磁気記録媒体の開発を目指して,磁性ナノ粒子を含有した球殻蛋白質の結晶化手法と薄膜成長手法と融合させた新規な方法で,3次元規則配列した磁性ナノ粒子の基礎検討を行った.具体的には,球殻構造,結晶化能,高温耐熱性を有する蛋白質PfVを用いて,PfV内部に磁性ナノ粒子を合成すること,薄膜のエピタキシャル成長の概念を蛋白質の結晶化過程に導入することで,基板上での蛋白質の結晶成長の制御について検討した. 本研究遂行のための研究体制として,エピタキシャル薄膜,ナノ磁性を専門とする研究代表者 白土を中心に,磁気記録を専門とする中谷亮一(大阪大学大学院工学研究科・教授)を研究分担者,蛋白質を専門とする中川敦史(大阪大学蛋白質研究所・教授)を連携研究者として,研究実施体制を組織した. 平成23年度には,PfV内へのCo-Ptナノ粒子の合成を中心に検討し,PfV形成後にCo, Pt溶液を還元することで,PfV内にCo-Ptナノ粒子を合成できることを示した.同時に,PfVの結晶化には,蛋白質の高純度化が必要であるとの課題を得た.平成24年度は,PfVの作製方法の最適化に立ち返り,PfV作製過程における再構築方法を見直すことで,高純度かつ大容量のPfVの作製方法にめどをつけた.さらに,PfVを石英ガラス基板上と単結晶Al2O3(0001)基板上で結晶化させた際に,結晶形態の明確な変化を観測し,単結晶基板の利用によって,蛋白質の結晶成長が制御できる可能性を見出した.
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Research Products
(2 results)