2013 Fiscal Year Annual Research Report
バンドオフセットモジュレーション型高性能透明導電性薄膜の作製
Project/Area Number |
23656386
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有田 誠 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30284540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 嘉史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90315119)
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Keywords | ケルビンフォース顕微鏡 / 酸化亜鉛 / 薄膜 |
Research Abstract |
高性能透明導電性薄膜の開発を目的として、ノンドープ酸化亜鉛(ZnO)とドーピングを施した酸化亜鉛(AZMgO)からなるモジュレーションドーピング構造の薄膜を作製し、その電子構造をケルビンフォース顕微鏡(KFM)を用いて解析することにより構造最適化を行う技術の確立を目指した。 多層構造の解析にはまず、ZnO/AZMgO 2層構造の重なり部位の観察から始め、次にSi基板上に堆積した多層膜構造の劈開面の分析を行った。最終年度にはさらなる分解能の向上を目指して、より先端の小さな(前年度まで使用の探針の1/2)プローブを用いてKFM測定を試みた。加えて、試料断面をイオンビームにより斜め方向に削り出して測定することで、多層構造界面付近をある程度まで詳しく観察することに成功した。得られた分解能の範囲内において、KFM測定により求められた仕事関数、光学スペクトル測定から見積もったバンドギャップ値、さらに紫外光光電子分光(UPS)測定の結果から予想されるイオン化ポテンシャルを用いて、多層構造におけるバンド構造の予想図を導いた。このバンド構造より、適切な多層膜構造が、特にキャリア移動層の厚さについて示唆された。作製された多層構造の電気特性は必ずしも本研究の最終目標に達するものではなく、多層膜を構成する各層のさらなる特性向上が課題として残されたものの、モジュレーションドーピング型透明導電性薄膜の設計最適化に対するKFMによる解析手法の有効性が示された。
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Research Products
(4 results)