2011 Fiscal Year Research-status Report
超伝導電力変換器実用化に向けた新規"軟"超伝導材料・素子の開発
Project/Area Number |
23656388
|
Research Institution | Research Institute for Applied Sciences |
Principal Investigator |
長村 光造 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 名誉教授 (50026209)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 超伝導材料・素子 / 低温物性 / 量子ビーム / 構造・機能材料 / エネルギー効率化 |
Research Abstract |
将来のスマートグリッドに代表される電力供給システムや自動車用電気モータ等は省エネルギーのため理想的には全超伝導化が望ましいとされている。そこで利用されるインバータ、コンバータ等の電力変換器には現状では半導体素子が用いられており、電流が通過するオン状態で不必要な莫大なジュール熱が発生し、著しく効率が低下している。ジュール熱発生ゼロあるいは限りなくゼロに近いインバータ、コンバータ等の実現は、超伝導特性を活用することにより原理的には可能であり、申請者等はその原理について特許出願を行った。その代表的機器の一つである超伝導インバータをその原理に基づき試作するため、スイッチング特性に優れた新規"軟"超伝導材料および素子の開発を行う。平成23年度は(1)"軟"超伝導材料および素子の開発に関しては次のような研究成果を得た。完全超伝導状態から磁束フロー状態への遷移による抵抗発生の挙動をFujikura製のYBCO薄膜を用いて調査した。すなわち電圧は電流のべき乗(j)^nに従い増加し、磁場のべき乗(B-Bo)^mに従って減少するので、それらべき数の決定方法について評価方法を検討した。 (2)スイッチング方式の改良に関しては磁場振幅を0.5~1 T程度になるようにして高い磁束フロー状態および常伝導状態への遷移を起こさせるよう駆動用電磁石の設計を行った。開発した計算機シミレーションコードにより、負荷に低抵抗体、超伝導線材を用いたときの超伝導インバータの直流/交流変換効率を最適にするスイッチング波形の探索、ノイズ成分の低減等のシステムの最適制御方法を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由として、超伝導素子の非線形性特性の評価方法を確立でき、また高性能化を図るための改良型駆動用電磁石の設計が完了し、次年度に製作を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
所期の目標を達成するため、研究計画に従い研究を推進する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用計画は、所期の目標を達成するため、研究計画に従い研究を推進する予定である。
|