2012 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導電力変換器実用化に向けた新規”軟”超伝導材料・素子の開発
Project/Area Number |
23656388
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Research Institution | 公益財団法人応用科学研究所 |
Principal Investigator |
長村 光造 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 研究員 (50026209)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / 低温物性 / 量子ビーム / 構造・機能材料 / エネルギー効率化 |
Research Abstract |
将来のスマートグリッドに代表される電力供給システムへのジュール熱発生を限りなくゼロにした電力変換器の導入は、超伝導特性を活用することにより原理的には可能である。その代表である超伝導インバータをその原理に基づき試作するため、スイッチング特性に優れた新規“軟”超伝導材料および素子の開発を検討した。平成23年度は(1)“軟”超伝導材料および素子については、完全超伝導状態から磁束フロー状態への遷移による抵抗発生の挙動をFujikura製のYBCO薄膜を用いて調査した。すなわち電圧は電流のべき乗(j)^nに従い増加し、磁場のべき乗(B-Bo)^mに従って減少するので、それらべき数の決定方法について評価方法を検討した。 (2)スイッチング方式の改良に関しては磁場振幅を0.5~1 T程度になるようにして高い磁束フロー状態および常伝導状態への遷移を起こさせるよう駆動用電磁石の設計を行った。開発した計算機シミレーションコードにより、負荷に低抵抗体、超伝導線材を用いたときの超伝導インバータの直流/交流変換効率を最適にするスイッチング波形の探索、ノイズ成分の低減等のシステムの最適制御方法を検討した。平成24年度は前年度に明らかにした超伝導インバータに必要な超伝導材料および素子の特性をもとに、太陽光発電用インバータへの適用性を検討した。現状の太陽光発電では太陽光セルを直列に並べているため電圧が高く、セルの不均一さにより電圧の変動が起こりやすく、そのためMPPTのような機構が不可欠となる。一方太陽光セルを並列に配置することの大きな利点は電圧が各セルの起電力1V以下で電圧変動が小さいことである。超伝導インバータを用いることにより太陽光を並列に配置可能となり、また本研究で提案する冷凍冷却した超電導システムは大規模にするほど現状の半導体システムより省エネルギー性が優れていることを示すことができた。
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Research Products
(1 results)