2012 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中の浅い準位間遷移を利用した室温・連続波テラヘルツ波光源
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23656392
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小山 裕 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80169367)
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Keywords | テラヘルツ / 浅い準位 |
Research Abstract |
近年、数多くの有望な応用が期待されるテラヘルツ波光源の開発が行なわれている。その中で本研究では、テラヘルツ光エネルギーに相当する数ミリエレクトロンボルトの束縛エネルギーを有する半導体中の浅い準位間遷移を用いた小型連続波テラヘルツ光源の実現とその高性能化に成功した。半導体結晶としてはゲルマニウムやGaAs等数種類の結晶が用いられた。励起光として、波長1μのCW半導体レーザーを用い、それらの浅い準位間遷移に起因するテラヘルツ波発生を確認した。さらに発生強度の結晶温度依存性を明らかにし、間接遷移半導体と直接遷移半導体の発生特性の違いを明らかにした。波長1μ励起光では直接励起出来ない広い禁制帯幅を持つGaAs結晶では、禁制帯中央に存在する特異なEL2準位を介した2フォトン励起過程により、テラヘルツ波発生を確認することに成功した。この励起法は、禁制帯より小さなエネルギーの光で励起出来る事から、透明性が高く、結晶内部まで均一に励起できる点が非常に優位である。特にその発生特性の結晶温度依存性は、EL2準位のフォトクェンチング現象と回復現象により明確に説明する事が出来る。発生テラヘルツ光の波長について、テラヘルツ帯バンドパスフィルターを用いて、発生波長帯域の特定を行なう事が出来た。結晶端面励起による表面発光特性も得る事が出来、光共振器形成による選択的テラヘルツ発生デバイス化に道を開いた。
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Research Products
(4 results)