2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工MPB構造を持つチタン酸バリウムーニオブ酸カリウム複合圧電セラミックスの創成
Project/Area Number |
23656396
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
和田 智志 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60240545)
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Keywords | 人工MPB構造 / 複合圧電セラミックス / チタン酸バリウム / ニオブ酸カリウム / エピタキシャル接合 / ナノ複合セラミックス / ソルボサーマル法 / 構造傾斜領域 |
Research Abstract |
昨年度は、チタン酸バリウム(BT)を300nmの粒子径に固定し、その成形体にニオブ酸カリウム(KN)をエピタキシャル被覆したものを作製し、厚さと物性の関係について検討した。その結果、室温での比誘電率はKN厚さが22nmで最大400とまた、電気歪み量は33nmで最大でその見かけの圧電定数は160pm/Vとなった。そこで本年度はこの値を大幅に向上するために、BT粒子同士をネッキングさせることでBT粒子が3次元で連続した構造を作製し、その表面にKNをエピタキシャル成長させることで、BT粒子に生じる構造傾斜領域が3次元ネットワーク構造を持つようにすることで比誘電率および見かけの圧電定数の大幅な向上を検討した。まず、BT粒子と酸化チタン粒子からなる成形体(密度約60%前後)を作製し、それを水酸化バリウムを溶解した水中に入れ、オートクレーブ中で175˚C以下で保持することで、BT/BTナノ構造セラミックスを作製した。その比誘電率は800で見かけの圧電定数は100pm/Vであることを確認した。その後、このBT/BTナノ構造セラミックスをグローブボックス中でNbアルコキシド溶液中に浸漬後、水中に浸漬することで水酸化ニオブがBT/BTナノ構造セラミックス中に分散したものを作製後、空気中600℃で熱処理することで酸化ニオブナノ粒子が内部に分散したBT/BTナノ構造セラミックスを作製した。この操作を繰り返すことでKN/BT比を調整した。その後エタノール中で水酸化カリウムと炭酸カリウムを用いたソルボサーマル処理を230℃で行うことで、KNがBT/BTナノ構造セラミックスをエピタキシャル被覆したKN/BT/BTナノ構造セラミックスを作製した。その結果、KN/BT比が0.25において、その比誘電率は1800で見かけの圧電定数は300pm/Vであることを確認できた。
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