2012 Fiscal Year Research-status Report
ピエゾ電気を利用した新たなセラミック反応合成場の研究
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23656400
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335089)
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Keywords | 圧電体 |
Research Abstract |
本研究は、電荷供給層を設けた無鉛圧電セラミックスの表面電荷を合成反応場として新たに利用する新規の液相セラミック合成法「ピエゾ電気アシスト堆積法」を提案し、新規セラミック合成法の有効性を確かめることを目的とする。in vitro試験によってバイオミメティック形成する骨類似アパタイト結晶の成長過程を精密評価し、そのメカニズムを模倣して、機能性薄膜材料の低温合成とその結晶配向制御に挑戦する。前年度に得た圧電体の表面電荷供給による「結晶化反応の引き金」という新規機能に関する仮説および応用可能性を立証するために、平成24年度は他の機能性イオン性結晶の組織制御に取り組んだ。前駆体溶液原料を擬似体液(SBF)から目的組成イオン種を含む調整溶液に切り替えて、インキュベータ装置内の圧電基材上で生じる結晶合成過程を観察した。別途、熱刺激電流(TSC)測定によって得た圧電基材上の表面電位および電荷蓄積量と併せて、その結晶化メカニズムを探った。その結果、調整溶液浸漬直後は圧電基材の分極処理の有無およびその程度に依存性はなく、結晶核の生成速度の大きな違いは認められなかった。しかし、その後は成長開始した結晶形状は大きく異なり、未分極試料では樹枝状に結晶成長したのに対し、分極試料では基材面に平行な優先成長が観察された。また、後者の結晶が時間経過とともに加速的に成長促進されることが判明した。そこで、表面電荷が作用する場合の成長モデルと結晶化速度式を新たに提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに進捗しており、次年度の研究計画へと順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
本提案の「ピエゾ電気アシスト堆積法」による結晶配向モデルに関して議論を深める。さらに、各種調整した水系前駆体溶液を用いて、新製法による薄膜合成の低温化等に取り組み、その配向制御化も目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬・材料等の消耗品費と国内外旅費および発表費用等の支出を申請書記載通りに予定している。
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Research Products
(8 results)