2013 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾ電気を利用した新たなセラミック反応合成場の研究
Project/Area Number |
23656400
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335089)
|
Keywords | 圧電体 |
Research Abstract |
本研究は、電荷供給層を設けた無鉛圧電セラミックスの表面電荷を合成反応場として新たに利用する新規の液相セラミック合成法「ピエゾ電気アシスト堆積法」を新規提案し、その有効性を確かめることを目的とした。本手法は複雑な装置が不要で、圧電セラミックス基材表面を結晶合成の反応場とするため、目的化合物を結晶合成する際に高電圧を印加する必要が無く、用いる前駆体溶液も非水系溶媒に限定されないため、グリーンプロセスとしての優位性も見込んだ。前年度までに得たニオブ系無鉛圧電セラミックス上における水酸アパタイトの結晶化過程の観察評価結果および表面電荷量の定量化とその結晶化促進作用の解明に基づき、平成25年度は他の無鉛圧電セラミックスのチタン酸バリウム上において、顔料や医薬品の他に透明電極や半導体に応用可能な素材として脚光を浴びる酸化亜鉛(ZnO)を結晶合成する製法展開まで実施した。その結果、酢酸亜鉛からなる前駆体水溶液を帯電させたチタン酸バリウム上に塗布して熱処理したところ、僅か100nC/cm2の表面電荷密度によって、ZnOが10倍以上の結晶成長速度を示すことを観察した。総じて、圧電体の表面電荷供給による結晶化反応の誘起およびその反応促進効果について、基材/生成物の材料組み合わせに特定されない普遍的な製法有効性と応用可能性を最終確認した。
|
Research Products
(8 results)