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2012 Fiscal Year Research-status Report

有機・無機ハイブリッド型バイオセンシング材料の創製

Research Project

Project/Area Number 23656401
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

横尾 俊信  京都大学, 化学研究所, 教授 (90158353)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 徳田 陽明  京都大学, 化学研究所, 准教授 (30372551)
正井 博和  京都大学, 化学研究所, 助教 (10451543)
Keywords有機無機ハイブリッド / バイオセンシング / NMR / タンパク質吸着 / ゾルゲル法
Research Abstract

バイオセンシング技術とは,抗原抗体反応や酵素反応といった生体関連物質が有する特異的分子識別能を利用したセンシング技術である。有害タンパク質あるいは病気の目印となるバイオマーカー等の検出を主な目的としている。この技術を用いて実際に検出を行うデバイスがバイオデバイスであり,その例として生体関連物質を検出する目的で使用するバイオチップ,センシングに必要な一連のプロセスをチップ上で実現するマイクロ流路等がある。これらのデバイスに求められている特性として,システムの微細化,高感度化,そして安価な作製コストという機能が挙げられる。こうした背景から,デバイス構成材料に求められる機能として,高い加工性,高いタンパク質吸着能,そして簡便な作製法が挙げられると考えた。本研究では,APTMSとTEOSを用いて有機-無機ハイブリッド材料を作製し,耐水性と熱処理に伴う構造変化,そしてタンパク質吸着特性を評価した。
本研究では,APTMSとTEOSを出発原料とする薄膜を作製し,耐水性と構造変化,タンパク質吸着特性の評価,および表面加工を行なった。耐水性が向上する熱処理条件を決定したところ,APTMS:TEOS=8:2の系では140 ℃で48時間, APTMS:TEOS=5:5では140 ℃で12時間となった。熱処理に伴う構造変化を測定したところ,140℃で熱処理を行うと重合度が増加した。また,長時間の熱処理によりアミノプロピル基がアミドに変性した。今回作製した薄膜は,APTMSの単分子膜よりも,タンパク質を強く吸着した。表面インプリントの手法を用いてパターンを転写し,表面加工を行ない試料表面をパターニングできることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

有機無機ハイブリッドをベースとするタンパク質吸着材料の開発に成功した。この材料は,表面加工が容易であり,かつ高いタンパク質吸着能を有する。具体的には,原料として,アミノ基の静電引力によりタンパク質を吸着可能な3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)を選択した。APTMSは,ガラス基板の表面にアミノ基を導入する目的で使用されるシランカップリング剤であり,基板表面のシラノールと結合し,単分子膜を形成する[1, 2]。また,耐水性を向上させるために,分子量を増加させることのできるテトラエトキシシラン(TEOS)を選択した。上記2成分を原料として,ゾルゲル法により,バイオデバイス構成材料を志向した有機-無機ハイブリッド材料を作製した。加工性に関しては,ゾルゲル法により作製するため,ゲル状態でのエッチングや,表面へのインプリントが可能となった。
しかしながら,今回作製した薄膜は,APTMSの単分子膜よりも,タンパク質を強く吸着したものの,感度向上が不十分であるため,今年度に到達することを計画している。

Strategy for Future Research Activity

タンパク質検出感度の向上を目指し,従来までに作製してきた材料と,金ナノ粒子のコンポジット化を試みる。
また,複数の生体関連物質を別個に導入し、入り口側と出口側に光ファイバをカップリングさせ、物質変化をリアルタイムに観察することなどを試みる。例えば、抗原と血清を同時に導入し、生体反応によって生成したIgG(immunoglobulin G、免疫グロブリンG)を観測することを考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

抗原抗体反応に用いるタンパク質の購入,ハイブリッド材料をハンドリングするのに必要なシリカガラスの購入に用いる。
また,成果発表も積極的に行っていく。
当初予定していたインキュベータは,研究の進展が早かったため,既に購入済みであり,今年度の購入は行わない。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Strain-driven self-rolling of hybrid organic-inorganic microrolls: interfaces with self-assembled2012

    • Author(s)
      Takahashi, M, Figus, C, Malfatti, L, Tokuda, Y, Yamamoto, K, Yoko, T, Kitanaga, T, Tokudome, Y, Innocenzi, P
    • Journal Title

      NPG Asia Mater

      Volume: 4 Pages: 1038

    • DOI

      10.1038/am.2012.40

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ゾル-ゲル法により作製した有機-無機ハイブリッド薄膜のタンパク質吸着特性と表面加工2013

    • Author(s)
      小川禎宏・徳田陽明・森田順平・正井博和・横尾俊信
    • Organizer
      日本セラミックス協会第51回年セラミックス基礎科学討論会
    • Place of Presentation
      仙台(仙台国際センター)
    • Year and Date
      20130109-20130110

URL: 

Published: 2014-07-24  

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