2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656406
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
安盛 敦雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40182349)
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Keywords | 磁気発熱 / フェライト / チタン酸バリウム / ケイ酸塩ガラス / PTC |
Research Abstract |
本研究では、低保磁力、高磁化の磁性体であるマンガン亜鉛フェライト(ZMFO)、PTC電気伝導性を示すセリウムドープチタン酸バリウム(CBT)、それらを結合するためのナトリウムホウケイ酸塩系低軟化点ガラス(NBSG)を複合化することで、高周波磁場下で発熱する材料を作製し、電気・磁気特性および高周波磁場下での磁気発熱挙動を調査した。 ZMFOとCBTは、それぞれ所定量の原料を混合し、仮焼・解砕・成形・焼成・粉砕・分級を順次行うことで作製した。NBSGは溶融急冷法で作製し、所定の粒度に粉砕した。ZMFOとNBSG粉体を種々の割合で混合し、減圧下で焼成することで複合体試料を作製し、析出結晶相、磁化、直流電気伝導度などを測定した。また混合粉末をキャピラリガラスに充填、焼成してワイヤ形状の試料を作製し、疑似生体材料に埋入して高周波磁場下での温度測定を行い、磁気発熱特性を評価した。その結果、NBSGの割合が少ない試料で大きな発熱が観察され、NBSGが30 mol%の複合体試料で磁気発熱が極大に達することがわかった。NBSGの割合と電気伝導度の関係から、高周波磁場による発熱はZMFOの渦電流損が大きく関与していることがわかった。 CBTの電気抵抗率は120℃のキュリー点を境に急上昇し190℃付近で極大を示した後、急激に減少したことから、PTC特性を発現することがわかった。CBT-NBSGおよびZMFO-CBT-NBSG複合体を減圧下での焼成により作製した。焼成による結晶相の変化は認められなかった。CBT-NBSG複合体は磁気発熱を示さず、ZMFO-CBT-NBSG複合体のみZMFOの含有量に応じた磁気発熱を示した。しかし、CBTのPTC特性にsよる発熱温度の変化が認められなかったことから、CBTによるZMFOの渦電流の十分な制御には至っていないことが示唆された。
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