2013 Fiscal Year Annual Research Report
電池電極の充放電ダイナミクス解析のための、研究基盤構築
Project/Area Number |
23656410
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
小嗣 真人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (60397990)
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 二次電池 / キャリア注入 / 電圧効果 |
Research Abstract |
本研究では、二次電池の充放電過程を明らかにするため、光電子顕微鏡(PEEM)に対応した試料ホルダーを新しく開発することを目指したものである。電池電極界面における電気化学反応のその場観察を行うために、二次電池の基本素子の組み込みが可能で、なおかつバイアス印加が測定中に行えるよう、技術面での課題を解決する必要がある。今年度は特に、バイアス印加可能な試料ホルダーの作成を行った。 従来のサンプルホルダーには加熱と測温のために、4系統の電流導入機構がマニピュレータに装備されているため、まずこれを活用することを土台にした。そして、試料ホルダーに絶縁碍子を介して、4系統の接触端子を設置し、これを通じて電圧印加と電流導入が行えるようにした。絶縁碍子は10mm×10mm×10mmのブロック形状で、4本のタップ穴を立てることで、電流導入端子を固定することができる。試料の固定はカギ爪状の電流導入端子、あるいはカーボンテープで固定可能である。 試験測定の結果、試料にバイアスをかけながら、正常にPEEM測定ができることを確認できた。PEEM測定時は試料が下方向を向くため、落下の危険性があったが、先述の固定方式で落下が無いことを確認できた。ただし電源の問題で極性の反転は現時点では困難であった。また、絶縁性の高い試料においては、PEEM画像がぼやける問題が発生した、これは表面のチャージアップが原因と考えられる。このようなサンプルホルダーを活用して、現在は炭素系材料やスピントロニクス材料への展開も始まっており、今後は印加電源の高度化を行い、様々な周辺領域に展開する予定である。
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Research Products
(3 results)