2012 Fiscal Year Annual Research Report
微小液滴反応場へのマイクロ波照射による微粒子表面修飾法の開発
Project/Area Number |
23656412
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐藤 正明 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (70128768)
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Keywords | ミスト / 微小液滴 / 超音波振動子 / マイクロ波照射 / 紫外線照射 / 高分子粒子 / シリカ微粒子 / 表面修飾 |
Research Abstract |
本研究では超音波振動子を組み込んだ反応システムを構築し、空気中に漂った霧状(ミスト)の微小な液滴(数ミクロン)を反応場として、無機有機複合体・コアシェル多層構造を有する微粒子合成や微粒子の表面修飾を目的とした。 本研究のオリジナルな点は、微小な液滴の内部に有機分子だけでなく、炭素粉末・シリカ微粒子・二酸化チタン微粒子などの無機固体も包含させる手法を確立させたこと、そして、外部からマイクロ波や紫外線を照射することにより、微小な液滴内部で化学反応を誘起させて、これを微粒子の合成や表面修飾に結びつけたことである。超音波振動子によるミストの生成には、粘性の低いことが必須なため、粘度が高い場合はアセトンのように粘性が低くて蒸気圧の高い液体を加えてミストとした後、気化させて除くことが必要であった。また、無機固体を液滴内部に閉じこめてミストとするためには、無機固体の粒径サイズが重要で300 nmよりも小さいことが望ましいことも判明した。霧吹きの原理を応用したミストも検討したが、空気中に長時間漂うことができず、本研究には不適であった。外部からのエネルギー供給に関しては、マイクロ波照射を第一候補としたが、誘電損失係数が大きくてマイクロ波を良く吸収する炭素粉末を包含させた液滴においてのみ化学修飾が可能であった。一方、紫外線照射を反応のトリガーとする場合は、広範囲な適用が可能でシリカ微粒子や二酸化チタン微粒子を包含する液滴でも、滞留時間が1分間で有機・無機複合体微粒子を合成することに成功した。 本研究で開発した微小な液滴を反応場とする微粒子合成では、高分子微粒子(カプセル)の内部にシリカや二酸化チタンのナノ粒子を閉じこめることができた。将来的には微粒子の特異な内部構造に起因した新規機能を探索する研究への進展が期待される。
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Research Products
(2 results)