2011 Fiscal Year Research-status Report
単層カーボンナノチューブのみで構成される薄膜/バルク界面構造での熱起電力の探索
Project/Area Number |
23656419
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 義倫 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30374995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田路 和幸 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (10175474)
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (90312652)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 太陽光発電 / 光物性 / 表面・界面物性 / 熱工学 |
Research Abstract |
高結晶性の単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube: SWCNT)のみで構造制御された「薄膜/バルク界面構造」を作製し、光照射時に起電力が発生することを確かめる。その上で、薄膜/バルク界面構造での温度分布と起電力の相関関係(ゼーベック係数の見積もり)を調べ、起電力発生のメカニズムを解明する。制御された高結晶性SWCNT薄膜/バルク界面構造の作製とキャラクタリーゼーション 使用するサンプルは、「高結晶性の金属・半導体混在SWCNTs」を用いる。欠陥の少ないアーク放電法により合成されたSWCNTsを使用した。精製処理は空気酸化・酸処理によりアモルファスカーボン、触媒金属を取り除く。高結晶化は精製SWCNTsを高真空中(10-5 Pa)、1200ºC、3時間熱処理し(S. -K. Lee, S. Iwata, S. Ogura, Y. Sato, K. Tohji, K. Fukutani, Surface Science 2012, 606, 293-296)、高結晶化を行った。次に洗浄したスライドガラスの両端幅5mmにAg電極を塗布して作製した。スプレーを使用して、電極間の半分をSWCNT薄膜、もう半分を厚いSWCNT膜を塗布し、「SWCNT薄膜/バルク界面構造」を作製した。このセルを表面形状や膜厚(走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡)、チューブ表面状態と構造(透過型電子顕微鏡、ラマン散乱分光)で観察・測定し、材料評価した。さらに光照射による起電力も測定した。得られたセルの起電力は光照射時0.3~0.4 mVであり、光照射によって起電力が生じていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災による既存の装置・実験設備が壊れ、研究できる環境を整えるのに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
SWCNT薄膜/バルク界面構造の最適化 平成23年度に得られたデータから、SWCNTが光吸収し、熱を帯びるため、熱起電力を生じている可能性がある。今後は、セルに熱電対を取付け、光照射時の起電力と共に温度変化を測定し、ゼーベック係数を見積もる予定である。また、金属性あるいは半導体性SWCNTを調製し、金属性・半導体性SWCNTヘテロ薄膜/バルク界面構造を検討する。たとえば金属性SWCNT薄膜/半導体性SWCNTバルク界面構造、もしくは逆の場合を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)