2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属溶湯中で生じるデアロイング現象を利用した新規ポーラス金属作製技術の確立と応用
Project/Area Number |
23656422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 秀実 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80323096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯葢 邦夫 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00302208)
和田 武 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10431602)
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Keywords | ポーラス金属 / デアロイング |
Research Abstract |
Ti50Cu50(原子比)の前駆体をMg溶湯に浸漬して生じる脱成分反応、および、形成するα-Tiナノポーラス体内のリガメントの粗大化反応について、詳細に調査した。得られた知見は以下のようにまとめられる。(1)TiCu前駆合金の脱成分反応は、Mg浴に接する表面から内部に向けて段階的に生じ、TiCu→Ti2Cuへの第一段脱成分ポーラス化反応、及び、Ti2Cu→α-Tiへの第二段脱成分ポーラス化反応から成り立つ。(2)反応拡散による考察から、前駆合金からMg浴中に溶出したCu成分の拡散が律速段階であり、その活性化エネルギーは35-44 kJ/molであり、水溶液中での脱成分反応と同等の値である。(3)Tiリガメントの粗大化は、表面緩和機構であり、その活性化エネルギーは、Ti原子の表面拡散の値よりやや大きい。これは、Tiの拡散がMg浴原子に干渉を受けることによると理解される。 Ni80(Fe0.8Cr0.2)20前駆合金をMg溶湯に浸漬して生じる脱成分反応によりFe80Cr20ナノポーラス体の作製に成功した。Ni-Fe-Cr合金は全率固溶体であるため、先のα-Tiに見られた段階的な脱成分反応は観測されず、表面に近いほどNi量が少なく、内部程より多くのNi量が残存する。表面がほぼFe-Cr相になって、時間とともに、内部までFe-Cr相が拡大し、最終的は、全試料がFe-Cr相に変化した。 Nb-Ni系前駆合金をMg浴に浸漬して生じる脱成分反応により、3.92m2/gの比表面積を有するナノポーラスNbの作製に成功した。これを硝酸水溶液中で16Vの陽極酸化を施すことにより、Nb2O5高誘電率酸化物被膜を形成し、500,000μFV/gの静電容量を有するNb電解コンデンサーの作製に成功した。
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Research Products
(5 results)