2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656424
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 直之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (90332519)
土居 壽 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30251549)
堤 祐介 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (60447498)
右田 聖 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特任助教 (00512302)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | バイオマテリアル / 生体材料学 / 生体機能材料 / 生体適合材料 / バイオコンジュゲート材料 |
Research Abstract |
歯科インプラントや経皮デバイスと軟組織との接着性を向上させることは、細菌侵入を防ぐうえで、極めて重要な課題である。そこで、金属のような凝縮系固体材料と軟組織とを長期間に渡り耐久性を保持して接着させる技術の開発を目指す。本研究では、(1)電着分子鎖上への細胞接着性ペプチドの固定による軟組織適合性の獲得、(2)生体分子電着およびこれと同時の細胞接着因子あるいはハイドロキシアパタイト固定化による軟組織適合性表面の獲得を表面科学的及び分子生物学的手法によって明らかにすることを目的としている。 本年度は電着技術の高度化と先端化を目指し、ポリエチレングリコール(PEG)電着機構の詳細な検討とPEG分子鎖長の最適化を行った。片方の末端をアミノ基、もう一方の末端をカルボキシル基で修飾した双性イオンPEG を用いて、その分子鎖長の相違による電着様式、電着密度、電着効率について検討を行った。ついで、これらの因子と細胞接着性を有するRGDペプチドの固定化量、固定化様式との関係を明らかにし、細胞実験によってペプチド固定化の際の理想的分子長を決定した。その結果、分子量3000のPEGが最も優れた細胞接着性を示すことが明らかとなった。また、コラーゲンをはじめとするタンパク質の電着機構の解明にも着手した。タンパク質のように水溶液中で正負両方の電荷を持つ分子の場合、カソード電位よりも交流電位を印加することによってチタン上に効果的に固定化されることを明らかにした。さらに、この電着機構、条件について詳細に検討を行った。その結果、±3Vの交流電位を印加することにより最も効率的にコラーゲン分子を電着できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟組織適合性を向上させるためにコラーゲン電着後のハイドロゲルの固定化、耐久性評価に着手し、同時に培養細胞を用いた評価系の構築を行っている。このように研究は当初計画どおり進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
電着技術をコラーゲンゲル、ゼラチンゲルなどのハイドロゲルの固定化に応用し、軟組織接着表面を構築する。これらの試料について培養細胞を用いたin vitroでの評価を行い、分子固定化材料の生体機能発現メカニズムの解明に着手する。研究を進めるにあたって遺伝子組換え実験が必要となるが、所属機関に設置されている組換えDNA実験安全委員会に諮り、承認を得た上で速やかに研究を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として金属材料、研磨用品、試薬、機能分子、電着、電気化学測定に必要な器具・容器、細胞培養に必要な培地、血清などを計上する。また、国内外の学会において成果発表を行うための旅費を計上する。その他、研究補助としての謝金、学会参加登録費・論文投稿費を計上する。
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Research Products
(20 results)