2012 Fiscal Year Annual Research Report
化学気相堆積法を用いた低温ホモジニアス固体電解質/電極構造の実現
Project/Area Number |
23656426
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠崎 和夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00196388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 修 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20108195)
塩田 忠 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40343165)
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Keywords | 燃料電池 / Gd添加CeO2 / 減圧CVD法 / 常圧CVD法 / 低温合成 |
Research Abstract |
従来の酸化物イオン伝導体を用いた燃料電池電解質板は焼結プロセスで作成されており、原料粉体中の添加イオン分布の原子レベルでの不均一や、高焼結温度(1200~1500℃)による焼結体中での陽イオン分布の不均一の問題点がある。本研究では従来の固体電解質板作成の考え方を変えて、原料の均一混合のために新規な有機金属原料を用いた化学気相析出(CVD)法を開発することで、低温で陽イオンを均一に分散し、焼結過程を経ずに混合導電性の電極材料上にホモジニアス固体電解質を形成することに成功した。 [新規常圧CVD装置の開発と、Gd添加CeO2(GDC)酸化物イオン伝導体の製膜条件の検討]従来の常圧CVD装置は原料気化部と製膜部が明確に分離されたものが多いが、試作装置はこれらを上下位置に配置し、その距離を近づけることで、気化した原料ガスが直接、基板上に輸送される構造を実現した。その結果、装置はコンパクトで、高効率な製膜が可能となり、将来、多孔質電極基板上に大面積の酸化物イオン導電体を形成する技術的な見通しが得られた。また、従来は原料を別々に気化し、気相中で混合することが多いが、今回は原料を溶融状態で混合固化させることで、気化時に混合状態とすることで、原料の均一分散性をより向上した。 [新規混合導電性電極開発]Ni-GDC系混合導電体多孔質(アノード)電極に加えて、LaSrCoO3を用いた多孔質混合導電性(カソード)電極の試作もおこない、減圧CVD法によるGDC固体電解質薄膜の形成条件の検討を行った。気孔率の制御をPMMA粒子の粒径、添加量で行い、曲げ強度とガス透過率測定による電極性能の検討を行った。作成した薄膜型の燃料電池構造で、H2-O2系原料ガスによる発電試験を行った。CVD法で製膜するために、原料ガスの多孔質電極内への侵入を防ぐための、緻密層の膜厚制御が重要であることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)