2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656427
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮武 健治 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (50277761)
|
Keywords | 燃料電池 / 超強酸 / プロトン伝導 / 電解質膜 |
Research Abstract |
超強酸性基を有する新規ポリエーテル(FSPE)の合成と物性について検討した。まず、ヨウ素を導入した芳香族ポリエーテルのウルマン反応における反応条件最適化を行い、超強酸性基を高率で導入すること(イオン交換容量IEC = 1.52 meq/g)ができた。FSPEは溶液キャスト法により淡黄色透明の膜として得られ、透過電子顕微鏡観察により発達した2~3 nm の小さな親水クラスターが均一に分布した特徴的なナノ相分離構造を示すことを確認した。FSPE 膜は同程度のIECを有するスルホン酸化ポリエーテル(SPE)と比較して高いプロトン導電性を示し、超強酸性基の導入によりIEC を増大させずに導電率を向上させることが明らかとなった。FSPE膜を用いて燃料電池発電試験を行ったところ、比較的低加湿条件においても良好な特性が得られた。 更に、プロトン導電性向上を目的としてマルチブロック構造の効果を検討した。様々な鎖長の疎水部および親水部オリゴマーをそれぞれ合成、これらを組み合わせて重合し、目的とするマルチブロック型超強酸性ポリエーテルを得た。透過電子顕微鏡観察から、マルチブロック型超強酸性ポリエーテル(IEC = 1.20 meq/g)では親水クラスターの発達が促進され、10 nm 程度の大きさになっていることが認められた。マルチブロック型超強酸性ポリエーテルは、同程度のIECを有するランダム型と比較すると含水率およびプロトン導電率いずれも高い値を示した。更に、破断強度も2~4倍向上しており、マルチブロック構造の分子設計概念が、超強酸性ポリエーテル電解質膜における物性改善に対して非常に有効であることを実証できた。
|
Research Products
(8 results)