2012 Fiscal Year Annual Research Report
白色干渉法を用いた複相金属材料の局所変形挙動観察装置の開発
Project/Area Number |
23656434
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高島 和希 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60163193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 光弘 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (80332865)
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Keywords | 構造・機能材料 / 機械的性質 / 微小材料試験 / 破壊 / 材料組織 |
Research Abstract |
金属材料の力学的性質は、基本的には転位の運動に基づいており、材料の強化設計も転位の運動を阻害する機構を導入することで達成されてきた。一方、バルク材の機械的性質は、原子レベルの転位運動と関連はあるものの、局所変形が進行するくびれから破壊過程までの変形挙動とその強度を転位運動と直接関連付けて解析することは、特に、複相材料の場合、きわめて困難である。これは結晶粒径、結晶粒界、析出物、異相界面等の材料組織構成要素が、局所的な変形挙動に大きな影響を及ぼすからである。したがって、材料の機械的性質や変形挙動をマルチスケール的に解明するためには、微視組織構成要素の局所的な変形挙動をその場で直接的に計測する必要がある。本研究では、材料表面においてナノメータレベルの変位・形状計測が可能な白色干渉計測技術を用いることで、複相金属材料における各構成相ならびにその界面における局所的な微小変形挙動を、大気中でその場観察できる装置の開発を行うとともに、この方法を利用して、複相組織材料における降伏から破壊までの局所変形挙動の観察を行い、計測法として確立させることを目的とした。 まず、平成23年度には、現有の微小材料試験機に白色干渉計を組み合わせることにより、局所変形挙動のその場観察が可能な装置の開発を行った。開発した試験機を用いて、これまで申請者らが引張計測を行ってきた金薄膜微小試験片の引張試験を行って、計測装置の性能及び計測データの妥当性を検証した。 平成24年度には、塑性変形をしない析出物及び塑性変形できる析出物から構成される2相組織材料から微小試験片を作製し、その降伏、加工硬化、破壊過程を直接計測した。その結果、この手法により、複相組織材料の降伏から破壊までの局所変形挙動を計測することに成功し、金属材料の微小変形挙動の計測法として確立することができた。
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Research Products
(8 results)