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2012 Fiscal Year Annual Research Report

強磁性絶縁体を用いたSiへの室温スピン注入

Research Project

Project/Area Number 23656438
Research InstitutionNational Institute for Materials Science

Principal Investigator

高橋 有紀子  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50421392)

Keywordsスピンフィルター効果
Research Abstract

スピンの自由度と極限に発達したSiテクノロジーを融合した半導体スピントロニクスの実現には室温でSiにスピンを効率よく注入する必要があるが、それに成功した者はいない。本研究では、強磁性絶縁体の1つであり、キュリー点が室温よりも高いCoフェライトを用いて、そのスピンフィルター効果を活用することにより実現する。鍵となるのは、欠陥のないCoフェライトを作製する革新的技術の開発であり、本研究では、ラジカルまたはオゾン酸化法を用い高品位なCoフェライトの作製に挑戦し、さらにSi上に欠陥のないCoフェライトを作製して、室温でのスピン注入を実現することを目的としている。昨年度は逆位相境界や酸素欠損のない高品位なCoフェライト薄膜を作製するために、ラジカル源を用いた酸化を試した。ラジカル酸化でもCoフェライトの形成が可能であるが、磁化を飽和させるための磁場は非常に高く多くの逆位相境界が存在していることを示唆していた。今年度はさらに酸化力の強いオゾンを使ったCoフェライトの作製を行った。室温では酸化が進まないが、加熱しながらオゾン酸化することによりCoフェライトの形成が可能である。TEMによる観察では、酸化後にCoFe2膜厚の約2倍に増加した。しかし、磁化を飽和させるには高磁場が必要であり、逆位相境界が存在していることがわかる。また、スピンフィルタ効率の温度依存性は大きく、これは電子が欠陥準位をホッピングする過程で起こるスピンフロップに起因すると考えられる。今後、室温で大きなスピンフィルター効果を実現するには、逆位相境界などの欠陥を減少させることが必須であり、そのためにはCoフェライトを結晶構造が同じペロブスカイト系の基板で格子ミスフィットの小さいものを使う必要があると考えられる。

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Published: 2014-07-24  

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