2012 Fiscal Year Research-status Report
リソグラフィー技術と合金の相分離現象を融合した超高アスペクト比微細加工法の創成
Project/Area Number |
23656446
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 雄一郎 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10322174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 宏昭 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (80403153)
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Keywords | リソグラフィー / 相分離 / 選択溶解 / 核生成・成長 / 微細加工 |
Research Abstract |
昨年度構築したフォトリソグラフィーと相分離現象の組合せによる新規な超高アスペクト比微細加工法の基礎に基づき、 hcp基D019型規則構造を有すα2-Ti3Al母相の(0001)面上にfcc基L10型規則構造を有すγ-TiAlが整合析出するTi-Al合金単結晶を用いて実験を行った。単結晶は、アーク溶解法と浮遊帯域溶融法により製造した。α2単相となる1200°Cにて溶体化後、板面が(0001)面に垂直な、10× 10×1 mm程度の板状溶体化材を得た。γ相の核生成サイトとしての微小圧痕を一定間隔で導入するため昨年度フォトリソグラフィーにより作製したモールドを用いて、ナノインプリント実験を行った。ナノインプリントにより層状組織をにはα2-Ti3Al母相の(0001)面に平行に幅1μm間隔1μmの圧痕の列を形成することに成功した。圧痕を繋ぐように底面すべりのすべり線を導入することができた。しかしながら、導入された転位の量が期待していたよりも少ないことが、FIBマイクロサンプリングを用いた断面TEMにより確認された。またモールドの損傷も大きいため、本手法による実験は中段した。予定を変更して、ダイヤモンドナイフと超微細加工装置を用いて底面に平行な溝を形成する「ナノ塑性加工」により局所的に塑性ひずみを導入後に二相化熱処理でを行った。これにより、底面に沿って高密度な転位を導入することに成功し、その後の熱処理により、幅100nm以下、間隔500nmに制御されたγ相を析出させることに成功した。すなわち、目標としていた「局所ひずみを一定間隔で導入することで、一つ一つのγ相の析出相を制御することに成功した。さらに、その後選択溶解により分布が制御されたスリット構造を作製している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノインプリントによるひずみ導入が期待していたほど効果的ではなかったため、ダイヤモンドナイフと超微細加工装置によるひずみ導入へと、ひずみ導入方法を変更した。このひずみの導入方法の変更のたため、全体的に計画が少し遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひずみ導入方法の変更により、析出相位置の制御には成功したので、今後は超微細加工装置によりひずみを導入した結晶を用いて選択溶解によるスリット構造作製を実施する。すでに実験の準備はできているので、後は実施するのみである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な物品は、昨年度に揃えている。次年度の研究費は、消耗品と国際会議での研究成果発表の費用として用いる。
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