2012 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ひずみ加工により導入した高密度格子欠陥を利用した低温固相接合の提案
Project/Area Number |
23656460
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
戸高 義一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345956)
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Keywords | 構造・機能材料 / 材料加工・処理 / 表面・界面物性 / 格子欠陥 / 拡散 |
Research Abstract |
巨大ひずみ加工で導入する高密度な格子欠陥を利用して、素材の力学特性を損なわない低温での接合の可能性を検証することを目的とする。 組織が単純であり、合金元素や析出物の影響を排除できる、純Fe(極低炭素鋼Fe-11ppmC)を供試材とした。 純Feを巨大ひずみ加工の一つであるHPT(High-Pressure Torsion)加工することで、高密度に格子欠陥を導入した。 HPT加工まま材では、結晶粒径200nm(SEM-EBSD法), 転位密度10 +15 m -2(X線回折法)の高密度格子欠陥が導入されていることが明らかとなった。(高密度格子欠陥の導入に伴い、引張強度1.4GPaの高強度を示した。) HPT加工した試料を熱処理(各温度で1h保持)することで、結晶粒の成長(格子欠陥の回復)挙動を調査した。 200~300℃で硬さが減少し始めることから、粒成長が開始することが分かった。 HPT加工後300℃で熱処理した試料では、引張強度1.0GPaの高強度を維持した。 HPT加工まま材/HPT加工まま材の組合せで300℃の熱処理にて接合を行なったところ、接合強度は十分ではないものの、接合が開始されることが分かった(200℃の熱処理では接合は認められなかった)。 一方で、HPT加工まま材/無加工材(1000℃で均質化熱処理した試料)の組合せでは、300℃では接合されなかった。 無加工材において、300℃で十分な粒界移動が生じないためであると考えられる。
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Research Products
(3 results)