2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656461
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉村 博之 京都大学, 工学研究科, 教授 (10293656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一井 崇 京都大学, 工学研究科, 助教 (30447908)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | ナノプロープリソグラフィ / 自己集積化単分子膜 |
Research Abstract |
絶縁基板におけるナノプローブリソグラフィにおいて、そのレジスト膜の選定はきわめて重要である。高精細なナノ加工を実現するためには、シングルナノメートルオーダーの超薄膜である必要がある。そこで本研究では、超薄膜でかつ一様性の高いレジスト膜として、自己集積化単分子膜(self-assembled monolayer ; SAM)に着目し、その特性を評価した。SAMは一般にその膜厚が分子長(2~3nm)程度と極めて薄く、かつ配向性も高い。基板として、代表的な酸化物である酸化アルミニウムを用い、それを被覆可能なSAMとして、アルキルホスホン酸SAMとアルキルシランSAMを比較した。アルキルホスホン酸SAMは、原料分子を含むエタノール溶液に基板を浸漬する方法(液相法)により作製した。一方、アルキルシランSAMは、150℃の環境下において、原料分子を含む蒸気に基板をさらす方法(気相法)により作製した。SAMの欠陥評価には、アミノシラン分子と金ナノ粒子を組み合わせて用いた。欠陥が存在すれば、SAM構成分子よりも小さなアミノシラン分子がそれに吸着し、さらにアミノ基と親和性の高い金ナノ粒子を吸着させることで、欠陥位置・密度を高精度に評価できる。製膜濃度・温度の最適化により、アルキルホスホン酸SAMについては欠陥がほとんどなく、かつ平坦性の高い高密度なSAMを得ることに成功した。その手順はアルキルシランSAMで用いた気相法と比較して簡便であり、アルキルホスホン酸SAMのレジスト膜としての有用性が確認された。
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