2011 Fiscal Year Research-status Report
新規衝突プロセスによるカーボンナノリングの合成と機能探索
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23656463
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大原 智 大阪大学, 接合科学研究所, 特任准教授 (00396532)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ナノカーボン / 構造制御 / ナノリング / 高速遊星ボールミル |
Research Abstract |
スチール材料(ボール)を物理的に強力衝突させることによりカーボンナノリングが合成できることをこれまでに見出している。これは、衝突によりスチールボール表面近傍の局所場が2000℃以上の高温状態になり、スチール中に存在する原子レベルで分散した炭素の気相反応によるものと考えている。また、リング構造の形成にはせん断応力場が有効と推測している。そこで本年度は、スチールボールの材質、衝突エネルギー、ミル内の雰囲気等を系統的に変化させ、カーボンナノリングの生成量や構造に与える反応条件を検討し、反応機構の解明を試みた。これにより、衝突プロセスによるカーボンナノリング合成の基盤技術を蓄積した。また本年度は、、カーボンナノリングの構造(サイズ、カイラリティ、局所欠陥等)と磁気特性の関係を検討・整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カーボンナノリングの生成機構を検討し、大量製造に向けた衝突合成プロセスの基盤技術が構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果を基にして、カーボンナノリングの合成率の向上を目指し、ミル内反応場へのカーボン原料の導入を検討する。具体的な原料としては、液体(エタノール、樹脂オイル)および気体(炭化水素系ガス)等を候補とし、カーボンナノリングの合成に適した原料を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費(カーボン原料等)と旅費(成果発表等)を中心に使用する計画である。
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