2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656464
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅沼 克昭 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10154444)
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Keywords | 常温接合 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、①インク化・塗布:インク化の条件設定、塗布条件の最適条件設定に取り組んだ。 ②表面反応評価:前年度から継続し、Ag ナノ粒子と Cu 基材との表面反応を解析する。特に、Cu表面の粗度、Ag、Au、Ni などの金属めっき膜を形成する場合の効果などを FE-SEM により詳細に評価した。 ④ 常温接合:2枚の Cu 板(4mm 角、1mm 厚さ)を用い、表面状態を②と同様に変化させ貼り合わせ接合を行う。この時、Cu 板は静置し上に任意の重りを載せて固定加圧力とする。エタノール洗浄後の時間をパラメータとして、接合せん断強度の変化を評価し、組織変化との対応を行った。③で施した Cu 板上の金属めっきの効果を調べ、常温接合に対する影響を調べた。接合界面の微細組織は、FE-SEM に加えてイオンミリングで試験片を作製し TEM 観察により評価した。 接合の基本は加熱を行わない常温における接合とするが、接合メカニズム、焼結のメカニズムの検討をするために、メタノール洗浄後に接合試験片を大気中において 150℃程度まで加熱し、同じ荷重条件で接合強度、組織変化を調べた。150℃は従来のはんだ付けも難しい温度であり、工業的な視点からも十分に実用価値がある。以上の評価を通して、Ag ナノ粒子インクを用いた金属の常温接合の可能性を明らかにし、より強固な接合を生じるためのナノ粒子インクの設計指針、接合プロセスの制御法に関する指針を確立する。既に常温においてもナノ粒子間の焼結・接合は実際に連続的に生じ、数 nm のナノ粒子がポーラスであるが数百 nm のサイズにまで 2 時間程度で成長することを解明している。本研究における本質的な解析は、バルク平面上でナノ粒子が付着接合し得るかであり、上記を検討しすることで、常温接合に対する学術的知見を得ることが出来た。
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