2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマー無機/有機ナノ表界面の複合反応解明による新しい機能制御積層技術の開発
Project/Area Number |
23656465
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
|
Keywords | プラズマ加工 / 無機/有機界面 / 無機/有機積層 |
Research Abstract |
本研究では、プラズマを用いた無機/有機積層におけるプロセス損傷の問題を、独自のプラズマ制御技術により克服することでブレークスルーし、『ソフトなプラズマプロセス』に基づく新しい積層技術を開発することを目的としている。このため、本研究では、1)無機/有機ナノ界面領域におけるプラズマ(荷電粒子・ラジカル・光)と有機分子との複合的な反応過程を解明し、2)良好な積層構造を形成するために不可欠なプロセス制御の指針確立を目指している。 まず、初年度においては、化学結合制御プロセスの解明・制御を研究課題に据えて、プラズマプロセスにおける荷電粒子・ラジカル・光による複合的な損傷生成過程を解明するため、各々の分離照射が有機分子の化学結合状態に与える影響に関する知見を蓄積した。プラズマからの発光と荷電粒子、ラジカルとを分離照射する実験により、プラズマからの発光(真空紫外~紫外域)については、表面での光化学反応による複合反応による官能基付与が認められた。さらに、イオン衝撃については、イオンエネルギーを制御することにより損傷形成を顕著に抑制可能であることに加えて、低エネルギーでの反応性エッチングでは、損傷を顕著に抑制したプロセスが可能であることを示した。 さらに、最終年度に当たる本年度においては、初年度での成果を踏まえ、化学結合制御プロセスならびにプラズマ支援堆積技術の最適化を目指して、有機半導体薄膜の上に積層した無機ナノ薄膜に酸素含有プラズマを照射する実験を行い、照射イオンエネルギーを抑制することにより、酸化物機能層の形成と同時に、有機半導体ナノ界面の酸化損傷は生じることが確かめられたが数nm程度に抑制可能であることが明らかになった。 本萌芽研究で得られたこれらの知見は、無機/有機積層における良好なナノ界面を形成するための新しい低ダメージプロセス技術として、今後の展開が期待される。
|
Research Products
(9 results)