2011 Fiscal Year Annual Research Report
超微小振動子を用いたマイクロ・ナノ接合の動的特性評価
Project/Area Number |
23656471
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
肥後 矢吉 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (30016802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垂水 竜一 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30362643)
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (00311663)
鈴木 健一郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (70388122)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | マイクロ接着評価 / 接着動特性 / MEMS / マイクロ振動子 |
Research Abstract |
1、目的;本研究は髪の毛の断面に相当する微小な領域の接着状態を従来の超音波非破壊検査の方法を用いて評価する方法を開発する。特徴は数十~数百μmの超微細振動子をMEMS(半導体の製造方法を用いて微小な機械を製作する方法)で直接接合部に作り込み,振動をレーザードプラ振動計で計測する。各接合部剤の弾性定数などの物性値を精密に計測・解析・比較し微細接合の寸法効果,物性変化を定量的に求める。 2、研究の経過は以下のとおりである。 1)被着材としてシリコン基板上に微小振動素子を電子回路とともにMEMSで作製した(鈴木) 2)1)の振動素子の振動特性をレーザードップラ振動計とネットワークアナライザーを用いて計測した(鈴木)。 3)2)の振動素子の組み込まれた基板を物理特性のわかった金属基板に接着し、2)と同様の計測を行った(鈴木)。 4)金属基板に接合されたもの全体の弾性定数を共振法により求め、接合部のみの弾性定数を解析した(垂水)。 5)縦波振動を派生させる振動子をMEMSにより作成した(鈴木)。 6)ナノインデンターにより縦波用振動子の機械特性を計測した(肥後、石山)。 7)計測結果と比較するための微細領域の接着強度を実測する手法を開発した(石山、肥後) 3、結果;以下のことが明らかとなった。 1)粘性の高い(柔らかい)接着剤を用いると振動の減衰が大きく(Q値が小さい)、しかも共振周波数も低くかつ変化をする。 2)硬い(熱硬化性接着剤)を用いると振動子のみの共振周波数に近く、減衰も少なく(Q値が高い)変化も小さい。 3)縦波を発生させる振動子はバネ定数が疲労により変化する可能性があり、しかも振動子を静電力で駆動するため基盤とのギャップが十分取れず今後の改良が必要である。 4、まとめ;MEMSの分野で多く用いられる微細接着、接合の振動特性に及ぼす影響を初めて計測した。微細領域の接合は振動子の特性に大きく影響し、今後の多くの設計に貴重な知見を与えた。
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