2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 太一 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80374966)
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Keywords | 溶融スラグ物性 / 多孔質材料 / 還元反応 / 微細粒子分散複合材料 / エネルギー吸収材料 |
Research Abstract |
溶融酸化物中でのバブリングによる発泡体製造と酸化物発泡体の還元プロセスによる高機能・高発泡金属(酸化物分散複合材料)の製造原理の創生を目的とし、鉄含有酸化物融体の発泡特性調査と高い発泡率の得られる組成範囲の決定、発泡酸化物の還元条件と得られる微細組織の関係の明確化および発泡体の特性評価および高発泡実現と気泡形状の維持と複合材料化に適した組成設計を行っている。本年度は、特に下記の項目を実施した。 1. FeO-Fe2O3-CaO-Al2O3系スラグにおいて、保持時間の増加により、気孔は成長・凝集し、崩壊に至ることが確認された。保持時間は極めて重要な因子であり、気泡の崩壊が起こる直前で凝固することにより高気孔率を有する多孔質体が得られることがわかった。 2. 保持温度1350℃において、0~10mass%Al2O3濃度の範囲では、0mass%Al2O3で気孔率69%の多孔質体が得られた。これは、スラグの固相率変化に伴う構造粘性変化の影響によるものと考えられる。また、発泡剤であるCaCO3鉱石の粒径の影響を調査し、粒度が25~45µmで最も高い気孔率を示した。 3. 0wt%Al2O3および10wt%Al2O3の多孔質体について、水素還元前後の組織観察およびEDXマッピングを行った結果、いずれの組成においても還元鉄内部にマイクロオーダーの気孔が認められ、0wt%Al2O3では微細なCaO粒子の分散が、10wt%Al2O3では微細なCaO粒子の分散およびCaO - Al2O3系酸化物の分散が確認できた。これら微細気孔および分散粒子は多孔質鉄の圧縮特性や強度に影響を与える可能性がある。
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Research Products
(6 results)