2011 Fiscal Year Research-status Report
窒化アルミニウム結晶の転位発生メカニズム解明に向けた高温顕微鏡によるその場観察
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23656475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小畠 秀和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10400425)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | その場観察 / AlN |
Research Abstract |
深紫外発光デバイスの基板材料として単結晶窒化アルミニウム(AlN)が注目されている.申請者の研究室では,Ga-Alフラックスを用いた新たな液相成長法(LPE法)を提案し,この方法によるAlN薄膜上での高品質なAlN結晶育成に向けたエピタキシャル成長実験を行っている.本研究では,AlNのLPE成長過程を"その場観察"することで貫通転位発生のメカニズムを明らかにし,高品質AlN結晶を作製することを目的とする.上記研究目的を達成するため,当該年度ではAlNのLPE成長過程をその場観察するための,1. サファイア窒化法でLPE成長実験に用いるAlNの種結晶基板を作製すると共に,2. 高温顕微鏡を用いてLPE成長時のフラックス-結晶界面のその場観察系を作成した. サファイア窒化法でのLPE成長実験に用いるAlNの種結晶基板は,当研究室で開発された"サファイア窒化法"を用いて作製する.実験には2-インチのサファイア基板から高品質AlN薄膜を作製し,高温顕微鏡で観察可能な10 mm×10 mmに加工したAlN種結晶薄膜を用いる.現在,サファイア窒化法によって安定して高品質なAlN単結晶基板が得られていることから,本研究に用いる種結晶は十分に供給できる状態になった. 高温でのその場観察を行うために,試料からの輻射によって光学系がダメージを受ける可能性がある.そのため,該当年度では,焦点距離が10 mm を超える長焦点の対物レンズを有する微分干渉顕微鏡を作成した.本年度においてこの顕微鏡を用いたAlN結晶のLPE成長プロセスの高温その場観察を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温プロセスをその場する装置を開発する必要があるため,その観察系の設計および作成に時間を要したが,当該年度において観察系を完成させることができた. しかし,H23年度に予定していたAlN成長用LPE炉がまだ完成していない.本年度はAlNのLPE成長炉を完成させた上で,その場観察による研究を進めることができる.
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Strategy for Future Research Activity |
高温でのその場観察を行うために,試料からの輻射によって光学系がダメージを受ける可能性がある.そのため,該当年度では,焦点距離が10 mm を超える長焦点の対物レンズを有する微分干渉顕微鏡を作成した.光学系の設計に時間を要したため,当初H23年度に予定していたその場観察用のLPE炉の作成をH24年度に行い,これを完成させる予定である.その後AlN結晶のLPE成長プロセスの高温その場観察を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度では光学系の設計および作成に時間を要した.そのためH23年度に作成することを予定していたその場観察用AlN成長用LPE炉をH23年度から繰り越した予算で作成する. H24年度計上する物品費によって,その場観察するAlN結晶の成長条件を制御するための温度調整コントローラを新規購入する予定である.また,実験に必要なガス,試料などの消耗品を購入する.さらに本研究で得られた研究成果を発表するために,学会発表を行う.この費用に旅費を計上する予定である.
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