2012 Fiscal Year Annual Research Report
窒化アルミニウム結晶の転位発生メカニズム解明に向けた高温顕微鏡によるその場観察
Project/Area Number |
23656475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小畠 秀和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10400425)
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Keywords | その場観察 / 窒化アルミニウム / LPE成長 |
Research Abstract |
深紫外発光デバイスの基板材料として単結晶窒化アルミニウム(AlN)が注目されている.申請者の研究室では,Ga-Alフラックスを用いた新たな液相成長法(LPE法)を提案し,この方法によるAlN薄膜上での高品質なAlN結晶育成に向けたエピタキシャル成長実験を行っている.本研究では,AlNのLPE成長過程を“その場観察”することで貫通転位発生のメカニズムを明らかにし,高品質AlN結晶を作製することを目的とする. 上記研究目的を達成するため,初年度ではAlNのLPE成長過程をその場観察するための高温顕微鏡を用いてLPE成長時のフラックス-結晶界面のその場観察系を作成し,当該年度ではAlN薄膜上に高品質なAlN結晶が成長する要因を明らかにするために,本研究で制作した高温その場観察系を使って,Ga-AlフラックスからのAlN結晶LPE成長プロセスのその場観察を行った. LPE成長させるAlNの基板にはサファイア基板と,当研究室で開発された“サファイア窒化法”を用いて作製したAlN薄膜を用い,それぞれの基板上で成長するAlN結晶形態の違いを観察した.実験には用いたAlN薄膜は2-インチのサファイア基板から高品質AlN薄膜を作製し,高温顕微鏡で観察可能な10 mm×10 mmに加工したものを用いた. 1250℃でLPE成長させたAlN結晶のLPE成長プロセスをその場観察することに成功した.サファイア基板上で成長したAlNは多数の成長島が密集して合体成長していることが分かった.一方AlN薄膜上にLPE成長したAlN結晶は基板上に均質に分布し,それぞれの成長島が沿面成長していることが分かった.合体成長時の粒界が転位の起源となることから,沿面成長が卓越するAlN薄膜上でのLPE成長では高品質のAlN結晶が得られると考えられる.
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