2012 Fiscal Year Annual Research Report
無電解析出法による鉄族金属・酸化物半導体複合ナノワイヤの創成
Project/Area Number |
23656477
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
八木 俊介 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 講師 (60452273)
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Keywords | 酸化物半導体 / 金属ナノワイヤ / 複合ナノ材料 / 各種製造プロセス / 希少金属代替 |
Research Abstract |
酸化物半導体ZnOを電解法・無電解法により鉄族金属および白金基板上へ析出させるプロセスについて検討を行った。反応中における電極近傍のpH分布を数値計算によって求め、さらに電極電位と析出重量をその場測定し電位pH図と照らし合わせることで、電析条件の最適化を行った。その結果、白金単結晶上にZnOをエピタキシャル成長できる条件を明らかにした。また、鉄族金属上にもZnO膜を二次元成長できる条件を確立した。一方で、ネオジム磁石を平行に配置して静磁場を発生させ、その中で鉄族金属ナノ粒子の合成を行うと、鉄族金属核が磁場方向に優先的に成長した鉄族金属ナノワイヤが得られることを明らかにした。これまで鉄族金属ナノワイヤの合成は超伝導電磁石で発生させた10T以上の磁場中で行っていたが、平行に並べたネオジム磁石により発生させた1T程度の比較的微弱な磁場でも鉄族金属ナノワイヤの形成が可能となった。これにより反応装置の設計の自由度が向上し、特に温度の制御が容易となった。以上の成果をもとに、鉄族金属ナノワイヤの表面をZnOで電気化学的に被覆することを試みたが、析出するZnOの結晶粒の大きさがミクロンオーダーであったため、鉄族金属ナノワイヤを均一に被覆することができなかった。しかし、析出物の結晶粒の大きさがナノオーダーとなる酸化物半導体材料、例えばMgOなどを用いてニッケルナノワイヤ表面を電気化学的に被覆することが可能であることを明らかにした。以上の成果は、金属・酸化物半導体のナノ複合材料を電気化学的に簡便に合成する手法として広く利用することができると期待される。
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Research Products
(4 results)