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2011 Fiscal Year Research-status Report

多段フローリアクタによる粒子成長制御に基づくコアシェル粒子連続合成法の開発

Research Project

Project/Area Number 23656490
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

宮原 稔  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60200200)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡邉 哲  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80402957)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsマイクロリアクター / 流通式反応 / 金ナノクラスター / 金ナノシェル / プラズモン / 不均一核生成
Research Abstract

Silica@Auコアシェル複合ナノ粒子は近赤外領域に渡る幅広いプラズモン吸収特性を持ち,医療分野等への応用が期待されている。しかし,既報のバッチ式製造プロセスでは製造に時間がかかる等,多くの問題点を抱えている。この現状を踏まえた本研究の目的は,フロー式マイクロリアクターを用いたコアシェル粒子連続合成プロセスの構築である。マイクロリアクターの高い混合性能が滑らかなシェル形成を促し,かつ連続プロセスとすることで任意の粒径/シェル比のコアシェル粒子を合成するのが最終的な狙いである。初年度は,あらかじめ購入したシリカコア粒子を用いて,金シェル形成過程の検討に取り組み,強混合・強還元力という未開拓の条件下での金シェル形成条件を明らかにすることを目的とした。SiO2@Auは,コアであるシリカ粒子を,高分子で修飾したのち,金ナノ粒子で被覆し,その金粒子を成長させることで形成した。まず金ナノ粒子被覆プロセスでは,高分子修飾したシリカサスペンションにHAuCl4水溶液を加えた液と,還元剤であるNaBH4をマイクロリアクターを用いて迅速に混合,反応させた。その結果,適切に金イオン濃度を設定することで,金ナノ粒子が,バルクに全く生成することなく,シリカ粒子表面を均一被覆することが明らかとなった。さらに金ナノ粒子のサイズはpHによって変化し,低pHになるほど粒径は小さくなった。シェル形成過程では,形成した金ナノ粒子被覆シリカ粒子と水酸化金イオン水溶液の混合液と,還元剤としてアスコルビン酸をマイクロリアクタを用いて迅速に混合,反応させた。その結果,コア粒子を均一に被覆した滑らかなシェルを,バルクに金ナノ粒子を発生させることなしに,形成することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の目的であるフロー式マイクロリアクターを用いた金シェルの形成について検討を行い,その形成条件についておよそ明らかにし,目的を達成できたため。

Strategy for Future Research Activity

初年度は,金ナノシェルの前駆体である金ナノクラスター形成過程と,金ナノシェル形成過程をそれぞれフロー式マイクロリアクターを用いて合成した。この成果をベースに,24年度は金ナノクラスター形成過程と金ナノシェル形成過程を連結し,1ステップでの金ナノシェル連続形成プロセスの構築を目指す。検討項目としては,コア粒子サイズ・滞留時間・反応温度・pHが考えられ,それらの因子がシェル厚みに与える影響について詳細に検討する。特に滞留時間は流通系の反応プロセス特有の実験パラメータであり,短い滞留時間領域の検討を行うことによって,従来のバッチ式合成法では困難な,極薄シェル形成を見据えた検討を行う。上記連続プロセスを構築した上で,可能であればコア粒子からシェル形成までの連続合成の検討まで行う予定である。実験の概略は次の通りである。1段目で,テトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解によるシリカ粒子の合成を行う。得られた反応液を2段目で,金イオンと混合させる。この段階は,反応ではなく混合だけなのでT字型のミキサーで充分混合できると考えられる。そして,このシリカ粒子+金イオン混合液を,3段目で還元剤と反応させ,シリカシェル形成反応を進行させる。コア粒子合成から連続したプロセスで,金シェル形成が昨年度系とどの程度類似か/異なるかを見極めつつ,金シェル形成反応の滞留時間は固定した上で,特にシリカ粒子合成の滞留時間の影響を検討する。滞留時間とコアサイズとの関係を明らかにするのが主目的となる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

マイクロリアクターを連結したプロセスを構築するために,マイクロリアクターがもう1台必要であるため作製予定である。なお使用しているマイクロリアクターは市販のものではなく,図面をもとにしたオーダメイドである。その圧力損失が大きいマイクロリアクターを連結し,かつ滞留時間を広い範囲で変化させるためには,高圧の負荷に耐えられるシリンジポンプが必要である。現有のポンプでは実現可能な滞留時間の範囲が不十分であるため,新たに高圧対応型シリンジポンプの購入が必要である。その他,実験の補助業務としての謝金が必要である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] Microreactor Synthesis of Au@SiO2 Core-Shell Nanoparticles2012

    • Author(s)
      Satoshi Watanabe, Kazuhiko Nakamura, Kazuhiro Mae, and Minoru T. Miyahara
    • Organizer
      The International Conferences on Microreaction Technology (IMRET12)
    • Place of Presentation
      リヨン(フランス)
    • Year and Date
      2012.02.21
  • [Presentation] マイクロミキシングを活用したコアシェル型機能性微粒子合成2011

    • Author(s)
      渡邉 哲
    • Organizer
      第16回九州地区ミキシングサロン(招待講演)
    • Place of Presentation
      西新プラザ(博多市)
    • Year and Date
      2011.12.20
  • [Presentation] マイクロリアクターを用いた機能性微粒子の合成2011

    • Author(s)
      渡邉 哲,宮原 稔
    • Organizer
      2011年第1回晶析研究会(招待講演)
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      2011.11.18
  • [Presentation] マイクロリアクターによる金ナノシェルの連続合成2011

    • Author(s)
      渡邉 哲,田中あすみ,前 一廣,宮原 稔
    • Organizer
      粉体工学会2011年度秋期研究発表会
    • Place of Presentation
      大阪アカデミア(大阪市)
    • Year and Date
      2011.10.19
  • [Presentation] マイクロリアクターを用いた金ナノシェル合成2011

    • Author(s)
      渡邉 哲, 田中あすみ, 前 一廣, 宮原 稔
    • Organizer
      化学工学会第43回秋季大会
    • Place of Presentation
      名古屋工業大学
    • Year and Date
      2011-09-15

URL: 

Published: 2013-07-10  

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