2011 Fiscal Year Research-status Report
構造制御ポリマーと人工酵素を組み合わせたウィルス認識システム
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23656495
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
上江洲 一也 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (40253497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 智謙 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20335699)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 分子認識 / 分離精製 / 化学センサー / 環境分析 |
Research Abstract |
本研究では、ウィルスの立体構造を特異的に認識し、ただちにシグナルを放出する機能を付与した機能性材料を創製し、リアルタイム性に優れた高感度ウィルス検出システムを構築するために、(1)ウィルスを認識・捕捉するポリマーブラシの設計、(2)ウィルス認識時のシグナル放出機構の確立、および(3)シグナル検出法の確立を目指す。本年度は、ポリエチレン製多孔性中空糸膜に放射線グラフト重合により、グリシジルメタクリレートポリマーブラシを調製し、そのポリマーブラシに付与する官能基として、ヒトインフルエンザ表面に存在するヘマグルチニンと特異的に結合するシアル酸の導入を行った。イミノ二酢酸二ナトリウム水和物(IDA)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を先にカップリング反応させた後、グリシジルメタクリレートポリマーブラシと反応させることで、シアル酸転化率9.8%の膜を得た。シアル酸導入量は、既往の研究結果の約6倍と非常に高い値であるので、目標の第一段階は達成したと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、リアルタイム性に優れた高感度ウィルス検出システムを構築するために、(1)ウィルスを認識・捕捉するポリマーブラシの設計および(2)ウィルス認識時のシグナル放出機構の確立を達成する予定であったが、ポリマーブラシにシアル酸を導入する方法の確立に難航したため、上記(1)までの達成となった。予定よりやや遅れているものの、シアル酸導入量を高めるための反応条件を決定できたことは、大きな成果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当初目的の(2)ウィルス認識時のシグナル放出機構の確立および(3)シグナル検出法の確立を目指す。(2)については、 シグナル物質として銅(II)イオンおよび芳香族モノアミンについて検討し、シアル酸固定化ポリマーブラシへの吸着挙動を確認した後、ヘマグルチニンと置換するかどうかを検証する。さらに、実際にインフルエンザウイルスと反応するかどうか、まず不活性ウィルスを用いて実験を行う。(3)については、 ポリマーブラシから放出されたシグナル物質が、ペプチド、過酸化水素、酸素が存在する環境で発生する活性酸素の生成量を、発光試薬を用いて、ルミノメーターにて測定可能なことを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な支出は、ウィルス検知システムを構築するために必要な材料費と性能評価のための各種試薬である。次年度は、今年度で得られた成果を報告するための出張旅費および学会参加費にも研究費を使用する予定である。
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