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2011 Fiscal Year Research-status Report

亜臨界水とハニカム型構造体触媒による非食料セルロースの連続式加水分解反応場の創製

Research Project

Project/Area Number 23656502
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

福原 長寿  静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐古 猛  静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (20324329)
岡島 いづみ  静岡大学, 工学部, 助教 (40436910)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsセルロース加水分解 / 亜臨界水 / 構造体触媒 / 無電解めっき
Research Abstract

本研究は,亜臨界水の高い加水分解力をメタルハニカム型構造体触媒で制御・調整することで,非食料セルロースをグルコースなどの糖アルコール類に高速で連続的に,かつ高効率に変換する加水分解反応場の創製を目的としている。 平成23年度は,本研究の基盤技術となる構造体触媒の調製と,その基本物性の測定調査を中心に検討した。具体的には,担体としてメタルハニカム基材(アルミニウム製の円筒形:50mm×18φ,セル密度:100cpsi)を選定し,セルロースの加水分解反応促進のための触媒成分(Ru/Al2O3系やPt/Al2O3系)を,ゾル-ゲル法と無電解めっき法の組み合わせ技術を活用してそのフィン基材上に創製した。その際,亜臨界水環境下でも強固な触媒成分の付着強度の実現化に留意した。また,調製した触媒を試料とした種々のキャラクタリゼーション(X線回折測定,走査型電子顕微鏡による表面観察,エネルギー分散型元素分析など)を実施し,調製した構造体触媒の物理化学的な物性評価を行なった。得られた結果は次の通りである。(1)アルミニウムのゾル溶液のフィン基材上への塗布と,その後の焼成処理,そして貴金属成分の無電解めっき操作により,0.1mm厚のフィン基材上に均一で均質な触媒成分の創製が可能となった。(2)ゾル溶液の組成とエージング処理,無電解めっき浴の組成とめっき条件は創製する触媒層の物性に大きく影響することがわかった。(3)めっき層の成分は,γ-アルミナが主であり,RuやPtなどの貴金属担持量は約1~5wt%であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度の実施計画の一つである,"セルロースの加水分解反応用構造体触媒の調製とその物性測定"に関する項目は,計画以上の成果が得られた。ハニカムフィン上への触媒成分を担持するために本研究で採用するゾル-ゲル法と無電解めっき法の組み合わせ技術において,亜臨界水下でも付着強度の良好な触媒層を創製しなければならないという観点から,当初はゾル溶液の組成や条件,無電解めっき液の組成やめっき条件の最適化に時間がかかることが予想された。しかし,研究代表者が保有する構造体触媒の調製に関するこれまでの知識と技術を生かすことができ,フィン基材上に均一で良質な触媒成分の創出に成功した。また,得られた構造体触媒の物性測定の実施から,フィン基材上には加水分解に必要な所定の触媒成分が正しく担持されていることが明らかとなった。 一方,構造体触媒の性能評価のための亜臨界水発生装置の製作は少し予定より遅れていることが計画外であった。平成24年度における実施当初は,この装置製作に重点を置いて進めることで遅れた分を挽回する。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度の研究実施内容を以下に示す。(1) 加水分解領域における構造体触媒の分解特性の調査  前年度に創製した数種類のハニカム型構造体触媒を用いて亜臨界水反応装置を継続して製作しつつ,セルロースの加水分解が主となる領域において,調製した構造体触媒の分解特性を評価する。その際には,転化率とグルコース選択率の向上をもたらす触媒成分と亜臨界水の創生条件(温度や圧力)を中心に調査する。そして前年度に測定した触媒物性を参考に,触媒機能が亜臨界水の加水分解能に及ぼす効果を触媒化学と臨界流体工学の視点から評価する。伝熱性の違いやセル密度の違い(物理的影響),原料の滞在時間の違いが分解特性に及ぼす影響についても調査する。なお,セルロース原料は市販の試薬を用いる。(2) 過分解領域における構造体触媒の過分解抑制によるグルコース生成の調査  過分解反応が主となる操作領域を調査しつつ,前年度に創製したハニカム型構造体を用いて過分解反応の抑制によるグルコース生成について調べる。調査は,(1)と同様に,過分解抑制に及ぼす触媒機能や物理的特性の影響を中心に実施する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は,亜臨界水発生装置を製作し,平成23年度に創製したセルロース加水分解用構造体触媒の性能をその装置で評価することを計画していることから,研究経費は主として装置製作に関した消耗品の購入にあてられる。具体的には,亜臨界水発生の反応器,バックプレッシャー調節器,気密バルブ類(スウェージロック)や配管類(ステンレス管),圧縮ガス類などの購入である。また,構造体触媒調製時に必要となる試薬の購入も平成23年度同様に計画している。さらには,関連する研究情報の収集や研究成果の発表のために,学会主催の研究発表会や講演会へ参加するときの旅費にあてることも計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Structured Catalysts Prepared by Electroless Plating Technique onto a Metal Substrate, for a Wall-Type Hydrogen Production System2012

    • Author(s)
      Choji Fukuhara, Akira Igarashi
    • Journal Title

      Catalysis Surveys from Asia

      Volume: online Pages: online 30 Mar.

    • DOI

      10.1007/s10563-012-9134-3

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] メタルハニカム型Ni系構造体触媒によるメタンのドライリフォーミング反応特性2012

    • Author(s)
      兵藤了悟,高田恭行,渡部 綾,福原長寿
    • Organizer
      化学工学会 第77年会
    • Place of Presentation
      工学院大学(東京都)
    • Year and Date
      2012年3月16日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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