2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白石 康浩 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 准教授 (70343259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 隆之 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)
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Keywords | 光触媒 / 有害物質 / 再資源化 / バイオマス / 二酸化チタン |
Research Abstract |
本研究では、バイオマスあるいは有害有機化合物から有用物質を生産するための光触媒プロセスの開発に取り組んでいる。今年度(平成24年度)は、①ニトロ化合物の水素化によるアミン合成、②有害シアン化合物の脱窒素化、を効率よく進めるための光触媒開発に取り組んだ。 ①ニトロ化合物の水素化に対しては、前年度、これまで光触媒反応には不活性と考えられてきたルチル型二酸化チタンが極めてよい触媒となることを明らかにしている。我々は、光触媒として最も頻繁に使われているDegussa社のP25二酸化チタン(アナターゼとルチルの混合物)をフッ酸処理することにより得たルチル型二酸化チタンが極めて効率よく本反応を進行させることを明らかにした。IRおよびUV-visスペクトル測定より、本触媒の高い活性は、内部酸素欠陥が極めて少ないことによる電荷分離効果と、表面酸素欠陥が多いことによるニトロ化合物の強い吸着によることを明らかにした。 ②シアン化合物の脱窒素には、Pdナノ粒子を担持した二酸化チタン触媒が、エタノールの存在下、極めて選択的かつ効率よく反応を進めることを明らかにした。本反応においては、光触媒上でのアルコール酸化、生成したアルデヒドとシアン化合物の縮合、ならびに生成したイミンのPd上での還元、が連続的に進行することにより極めて効率の良い脱窒素反応が進行することを明らかにした。本反応は、従来の分子状水素をプロトン源とする反応よりも活性が高く、常温下で反応を進めることが可能であり、かつ安全な脱窒素プロセスとなることを明らかにした。
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