2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656505
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西山 憲和 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10283730)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 水熱合成 / 太陽電池 / 透明電極 |
Research Abstract |
次世代導電性透明薄膜および太陽電池として,酸化亜鉛の応用に期待が高まっており,これまでに多くの合成例が報告されている.しかしながら,種結晶を形成させるために高温での前処理を必要とするものや,スパッタリング法など,スケールアップが困難な手法が多い.高温合成では,基板の耐熱性が要求されるため,より広い用途に応用するためには低温で合成可能な手法を開発する必要ある.本研究では,100ºC以下の低温で比較的簡便な水熱合成法により,酸化亜鉛系ナノロッド薄膜を合成する手法を開発した.本年度は,本手法における核生成・結晶成長の制御を行い,結晶粒界のない薄膜の作成手法を確立した. 亜鉛/界面活性剤の複合体を種として,水エタノール混合溶液を溶媒とした成長溶液を用いて平坦な表面を持つ酸化亜鉛の一体化薄膜を合成することに成功した. 溶媒にアルコールを加えることで,溶液中の酸化亜鉛合成がほとんど起こっていないことが確認された.アルコールによって酸化亜鉛合成に用いられる亜鉛アンミン錯体が安定となり,反応性が低下したことが原因と考えられる.また,酸化亜鉛の合成反応が遅くなることによって,酸化亜鉛成長が反応律速となり,拡散による錯体の供給が十分となったことから結晶粒界のない酸化亜鉛が合成されたと考えられる. 紫外可視吸光測定からこの膜は平均可視光透過率が90%以上であることが確認された.また25.8 Ω・cmの低い抵抗率を示しており,結晶間で電子のやりとりがスムーズに行われていることを確認した.膜の抵抗を下げるために,異種元素のドープを試みた.成長時の溶液に異種元素を加えることにより抵抗値が減少したため,温和な条件で結晶内に異種元素を導入可能であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶粒界のない透明な酸化亜鉛ナノシートを合成した.予定していた異種元素の導入を行い,導電性の制御も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる導電性向上のため,比表面積の大きい酸化亜鉛を合成することによるキャリア濃度の増加を試みる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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